bitFlyer FXにSFDが導入されて以降、昨日初めてその制度が適用されることとなりました。
SFD とは、「Swap For Difference」の略称で 現物とFXの価格乖離が 10% 以上になった場合に、価格乖離が拡大する方向の約定をした投資家から約定金額に応じた SFDを徴収し、縮小する方向の約定をした投資家には SFD を付与するという制度。
【SFDの付与率】
①10%以上15%未満：0.5%
②15%以上20%未満：1.0%
③20%以上：3.0%
参考：bitFlyer FX が価格乖離縮小を目的として「SFD」導入へ
ビットコイン価格が100万円の場合に、価格乖離率が10％以上15％未満の場合には、※5500円～5750円のSFDが適用されることとなります。
※この場合、bitFlyer FXの価格は110万円～115万円のため、（110万円～115万円)×0.5％のSFDとなる。
過去の例では、FXの価格は基本的に上方向に乖離することから、SFD発動時は、買えばSFDを支払い、売ればSFDを付与されるということになります。ただ、新規約定時のみではなく、決済時にもこの制度が適用となります。
その為、SFDが発動している時に売買を完結させると、それほど大きな損失にはならないことになります。
SFDで損失が拡大するケース
この制度で一番美味しい場面は、FX価格が現物よりも上方向に乖離している際に、SFD発動前にビットコインを購入して価格が上昇。決済時にSFDが発動していると、売却時にSFDが付与されるために、非常に美味しい思いができます。また、SFD発動時にビットコインを空売りし、買い戻す際にSFDが解除されていても同様にSFDをまるまるもらうことができます。
しかしながら、売りを行っていた場合は逆となります。SFD発動前にビットコインを空売りしたものの、価格は上昇。損切りを行うとします。この時には、損切り分とSFDも支払わなければならない為に、ダブルの損失を計上する破目になります。
これは非常によろしくない状況ですので、今後はbitFlyer FXで取引する際には、価格乖離に注意する必要があります。
個人投資家の反応
SFD発動を受けて、個人投資家の反応は1日で大きく変わりました。
当初は乖離率が10％になった瞬間に売りを入れて、9％台になった際に買い戻すという動きが出ており、乖離率は10％を超えないようになっていました。
ところが、本日の昼頃から相場が上昇し始めると状況が一変。
乖離率10％～15％内で売買すれば、ほぼ関係ないということで、今度は乖離率10％が下限となりFX価格が乖離する傾向になりました。こうなると困るのは、上に挙げたようにSFD発動前に売り建てていたトレーダーです。差益とSFDの両方で損失を計上しなければなりません。
価格差にして約6000円程度の損失をプラスで計上することになりますが、それ以上に相場が上昇すると見込めば買い戻して損切りを行うでしょう。
かくして、記事執筆時点は乖離差が10.2％だったSFDが一時11.0％にまで上昇するいびつな価格状況となりました。
この制度に関して、著名投資家であるcisさんは『FXのように毎日ロールオーバーの際にスワップ付与するようにしないと意味がない』とコメントをしています。
現在は急激に価格が上昇しているので、市場のオーダー、ポジションも買いに傾いている状況。この一過性の事象で判断するのは時期尚早かと思いますが、個人投資家の中には取引の難しさが増えたと感じている人も多ようですね。
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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
