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Twitterは仮想通貨の詐欺を打ち負かせるか

筆者: エミリー・パーカー

Twitterユーザーは、Twitterを批判しがちな人が多い。Twitterが偽のアカウントを厳しく取り締まっていても、多くの人は彼らが十分な措置を施していないと思っている。

この問題は、Twitter上の活発な仮想通貨コミュニティにまで及んでいる。 「Crypto Twitter」には詐欺が蔓延し、多くの場合それは有名な仮想通貨コミュニティの中心人物に扮し、Etherのようなデジタル通貨を贈るボットアカウントの形をとっている。これらの詐欺アカウントには、本物の内容とTwitterのハンドルネームで使用されているものと同じプロフィール写真が使われているという特徴がある。偽物は初めに、多額のEtherをあなたにあげると言い寄り、その後、そのためには少額のEtherを送ってほしいとお願いしてくる。

これは小さな問題ではない。ある研究者は、一つのネットワークで1万5000件を超えるTwitterボットが偽の仮想通貨の宣伝をしていることを発見した。 6月には、暗号セキュリティーのエンジニア、Brandon Arvanaghi氏が ブログ投稿サイトMediumで「Ether詐欺で2300万ドルを追跡したが、これはおそらく実際の数より、はるかに少ないだろう」と書いた記事を投稿している。

Arvanaghi氏は「こういった詐欺のどの程度がTwitterを始めとしたものだとは言いづらい」とは語るが、「推測するに、Twitterが完全なる元でなかったとしても、少なくとも、これら多くの詐欺をTwittterが広めてしまったのではないかと思われる」と続けた。

これらの詐欺は非常に浸透しており、仮想通貨のインフルエンサーが偽装を防ぐためにTwitterのハンドルネームを変更している始末だ。 Ethereumの創設者Vitalik ButerinのTwitterの名前は "Etherは贈りません"、Binanceの CEOであるChangpeng Zhaoは "仮想通貨を贈与しません"という言葉を使っている。7月、Elon Muskの “誰が [Ethereum] の詐欺ボットを実行しているのかを知りたいよ!頭にくるスキルだ... "というtweetが注目を集めた。

TwitterのCEO、Jack Dorsey氏が救済措置をとると約束している。 3月に遡りその動きをみてみると、彼は”私たちはそこにいる”とツイートし、6月のブログ記事「どのようにTwitterがスパムし、悪意のあるオートメーションと戦っているのか(原タイトル:“How Twitter is fighting spam and malicious automation,”)」では、一週間あたりの潜在的スパムやオートメーションアカウントは、昨年12月の640万人から1000万人近くに増加したと言及している。同社はまた、迷惑メール対策専門のテック企業Smyteも買収した。

LongHashが問い合わせた際、Twitterの広報担当者は「これは迫りつつある課題だ」 と言い、「そのために、私たちはこれらの行動、特に私たちのスパムルールに違反する詐欺的な仮想通貨アカウントに関連したものを検出し、私たちのポリシーを実現するため、迅速かつ効果的な対応策を開発している」と回答した。

ただ、業界人の多くは、それを信じていない。仮想通貨のライターであるJoseph Young氏は、ある1つの例を挙げ、仮想通貨の詐欺をその会社に報告しようとして失敗したという内容のスクリーンショットを上げ、 ”これをもう一度やってみた”とツイートし、 「偽の仮想通貨のbotは、うっかり詐欺アカウントであるということをばらすか返答を拒否するか、それしかない。あきらめましょう。Twitter、あなたは本当にこの問題を解決しようとしているのですか?」と言っている。

しかし、詐欺の萬延が会社のコンプライアンスのサインでないのであれば、この問題を解決する難しさは、どの程度のものになるのだろうか? Arvanaghi氏はこのように考えている。彼はTwitterと詐欺師との争いは絶え間ない猫とマウスのゲームの様だと言う。例えば、詐欺師がツイート自体に、悪意あるBitcoinとEthereumのアドレスを貼りポストし、それをTwitterが検出すれば、Twitterは改善される。しかし、今度は、詐欺師は、そのようなポストに代わって、支払いを行う方法を説明する詐欺サイトへのリンクを掲載するようになるだろうと、彼は指摘する。

ソーシャルメディアのプラットフォームが、どのような発言がそのルールに違反しているかを正確に評価することは非常に難しいことだ。 「このソリューションは「検閲」の一形態なのでアルゴリズムが失敗してしまったり過剰に修正してしまったりすれば、それが致命的になる可能性がある」とArvanaghi氏は語る。

Arvanaghi氏は、この失敗を直接経験している。彼はEthereumで、セキュリティの懸案事項が述べられていたウェブサイトを共有しようとしたが、Twitterのアルゴリズムはそれが詐欺のリンクであると判断して、ツイートしないようブロックした。 どのコンテンツがそのルールに違反しているかを判断するのに苦労しているソーシャルメディアプラットフォームはTwitterだけではない。 7月、Facebookが独立宣言を検閲した際、彼らのアルゴリズムはそれを”ヘイトスピーチである”と表示した。

Arvanaghi氏は、究極の解決策はTwitter、会社自体からではなく、Twitterの仮想通貨のコミュニティ側から発生するべきだと考えている。 「EthereumのウォレットはEtherscamDBのようなサイトに問い合わせることができ、あなたがEthereumを詐欺のアドレスに送信しようとしている場合に警告することができる」「 詐欺サイトの検出に役立つChrome拡張機能が作成されている。 仮想通貨が一般的に普及するにつれて、ユーザーへのリテラシー教育もますます増えていくだろう」と彼は言う。

他にもコミュニティの著名なメンバーの一人であり、デジタル通貨Dogcoinを作ったことでよく知られているJackson Palmer氏は、その解決に取り組んでいる。 「私は最近、ボットを報告する非常に単純なPythonスクリプトを書いた。それは私やそれをシェアした他の多数の仮想通貨アカウントの言及から詐欺を取り除いて、とてもうまく働いたよ」とPalmer氏は語った。

「Jack[Dorsey]は、実際すぐにTwitterで私をフォローして、そのことを懸念しているので、私の助けを借りることはできないか、ダイレクトメッセージで聞いてきたよ」 「彼はその後連絡はないが、彼とそのチームが将来、ロードマップ上のある時点でEthereumの贈与詐欺の状況を願っているよ」

しかしPalmer氏は、仮想通貨詐欺と戦うことは、Twitterの最優先事項にすべきことではないとつけ加えた。 「あなたがTwitterの仮想通貨コミュニティにどっぷり浸かっているならば、仮想通貨の詐欺が、全体のTwitterユーザーのほんの一部でしかないことを忘れるのは非常に簡単なことだ」と彼は言う。 「選挙に影響を与えるものやヘイトスピーチは、当然ながらTwitterの炎上の的になり得るのだ」

1つ確かなことがある。それは詐欺の普及は、仮想通貨ウォッチャーの楽しみを減らしてしまうということだ。Podcast「 Unchained and Unconfirmed 」のホストであるジャーナリストのLaura Shin氏によると、この問題はTwitterに限られているわけではないと言う。 「“ペイ フォー プレイ”のスキームのあるプロジェクトにアプローチするためにTelegramで私を偽装し、私の名前を使って様々なメールアドレスを作っている人達がいます」と彼女はLongHashに語った。この文脈において、報酬の支払いというのは、例えばShin氏のショーの出演に対して、それが広告であるか明らかでない場合であっても、ゲストは支払ってしまうということを意味する。 「チームが私と同じようにチェックせずに、私が報酬の支払いに対して積極的に働いていると考えてしまうかもしれないということは、恥ずかしいことだ」とShin氏は言った。

それでもShin氏は、Twitterが犯罪を厳しく取り締まっていないことに驚いていると語った。「仮想通貨のTwitterコミュニティが通常のTwitterコミュニティと比較して、どれだけ積極的に活動しているかを考えてみてほしい」

彼女は、「この種の詐欺は、知的な議論や愉快なジョークの言い合いで活発だった素晴らしい仮想通貨のTwitterコミュニティを台無しにした。今や本当の議論を見つけるのに、詐欺の回答ツイートを検索しなければならないということはよくあることだ」と述べている。

 

<本記事ご協力>

LongHashは、ブロックチェーン技術の開発と理解を促進するプラットフォームです。

LONGHASH

エミリー・パーカー

エミリー・パーカー

作家・起業家。LongHash Co-founder。過去にThe Wall Street JournalおよびThe New York Timesでスタッフライター・エディター、またアメリカ国務省でポリシーアドバイザー、Silicon Valley start-up Parlio (現:Quora)でチーフストラテジーオフィサーの経験がある。著書"Now I Know Who My Comrades Are: VoicesFrom the Internet Underground."

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