ネオ(NEO)は、中国版イーサリアムとも呼ばれているパブリックブロックチェーンであり仮想通貨です。誕生した時はアントシェアーズ(AntShares)という名前でしたが、 2017年6月22日にネオ(NEO)にリブランディング。仮想通貨ブームの中で非常に注目を集めました。

日本ではオペレーションヘッドの葉山ミキ氏が活動しており、みんなの仮想通貨でも一度取材を行っております。

【独占インタビュー】NEOジャパン葉山氏に聞く、NEOの魅力とは?

今回は、そんなネオの特徴や将来性について解説します。

1. NEOの基本情報

特徴 NEOは、前身Antshares(ANS)が2017年6月にリブランディングしました。なお、ANSとしての初上場は2016年9月。 「中国版イーサリアム」と呼ばれており、スマートコントラクトを備え、DApps(アプリ)の開発やICOなどを行うことが可能です。アプリ開発にはJavaやPythonなどメジャー言語を採用し、エンジニアへの門戸が広いことで知られています。イーサリアムとの大きな違いは承認スピードの速さです。イーサリアムが毎秒15トランザクションなのに対し、「dBFT」という独自アルゴリズムを採用するNEOは、毎秒1000トランザクションまで処理することが可能です。
時価総額 約1,148億円 発行上限 100,000,000
承認方式 Delegated Byzantine Fault Tolerance 上場時期 2016年09月08日
中央機関 なし 提唱者 Da Fongfei
オフィシャルサイトURL https://neo.org/
ホワイトペーパーURL http://docs.neo.org/ja-jp/

出所:ネオ/円(NEO) 相場・リアルタイム価格情報

2. スマートエコノミーの実現を目指す

NEOはスマートエコノミーの実現を目指しています。スマートエコノミーとは、デジタル化が進んだ結果、我々の生活を支えている電力やガスなどのインフラもデジタル化されるという考えです。現に私たちの生活はsuicaなどのキャッシュレス決済によって、便利になりました。こういったデジタルインフラにスマートコントラクトを組み込むことで、透明性や利便性を大きく向上させた世界をNEOはスマートエコノミーと呼称しています。

NEOは独自の技術を活用した資産のデジタル化などを実現しており、エコシステムの開発や財政支援などの提供を目指しています。

【独自の技術】

  • ・デジタルアセット
  • ・デジタルアイデンティティー
  • ・スマートコントラクト(スマートコントラクト自体はイーサリアムが先駆ですが独自にアレンジしています。詳細は後述)

デジタルアセット

デジタルアセットとは、電子データのかたちで存在する資産のことです。アセットとは、英語で財産や資産という意味の言葉です。資産・財産と聞くとお金や不動産などをイメージされる方が多いかと思いますが、動画や文章なども財産や資産に分類されるのでデジタルアセットとみなして良いでしょう。

電子データとして存在しているものでも、価値のあるものは資産といえます。資産をデジタル化させることによって、分散化による資産の保全、信頼性の向上などが期待されています。

デジタルアイデンティティー

次にデジタルアイデンティティーとは、個人や組織、電子形式で存在する属性情報などを指します。

例えば、銀行取引などで必要な個人の属性情報なら、以下のことを指します。

  • ・年齢
  • ・生年月日
  • ・指紋
  • ・健康記録や趣味嗜好

これを仮想通貨取引で必要な個人情報として表すと、以下のようになります。

  • ・性質
  • ・発行者
  • ・所有権履歴
  • ・識別番号

これらの情報とブロックチェーンを組み合わせることで、情報の信頼性が向上して、手続きなどの簡略化が実現できます。

分かりやすいのは銀行の例です。デジタルアイデンティティーを登録できるサービスをつくることで、ユーザー名やパスワードだけで従来の記載事項の多い手続きを簡単に済ませることができます。

スマートコントラクト

ネオはネオコントラクト(NeoContract)と呼ばれる独自のスマートコントラクトシステムを構築しています。

スマートコントラクトとは、契約の自動化を実施するシステムです。分かりやすい例は自動販売機です。自動販売機は契約書などを必要とせずに物の売買が実施されます。

ネオコントラクトは、スマートコントラクトの開発が容易に行うことができます。これにより、世界中の開発者たちが迅速にスマートコントラクトを開発できるようにしました。

このスマートコントラクトを稼働できるプラットフォームとして有名なのがイーサリアムです。そのため、NEOは中国版のイーサリアムと称されることも多いのです。

これらの技術を用いてつくり上げようとしているモノが、前述した"スマートエコノミー"の世界なのです。

3. イーサリアムとNEOの共通点と相違点

イーサリアムとNEOの共通点は、スマートコントラクトを持っているという点です。ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実装できるベースが整っています。

これによって、"仕組みの自動化"も全プログラマーが自分で組むことができるようになっています。

イーサリアムとNEOの相違点

  イーサリアム NEO
目的 アプリケーションプラットフォームの形成 スマートエコノミーの形成
コンセンサスアルゴリズム PoW (プルーフ・オブ・ワーク) dBFT
トランザクション処理速度 15件/秒 1000件/秒
開発言語 Solidity Java、.NET、Python、C、C#、C++、Kotlin
発行上限枚数 1億ETH 発行上限なし

このルールに関して、イーサリアムではプルーフ・オブ・ワーク(PoW)という形式を、NEOではdBFTという形式を採用しています。まずコンセンサスアルゴリズムが違います。コンセンサスアルゴリズムとは管理者がいないブロックチェーンの取引の正当性を決めるルールのことです。
※dBFTとトランザクション処理速度の差異に関しては次の項で詳説しています。

続いて、この2つの仮想通貨に共通するスマートコントラクトに関する話ですが、スマートコントラクトを組む際の開発言語が異なります。

イーサリアムは独自開発の言語であるソリディティ(solidity)を採用しています。そのため、活用したい開発者はいちから開発言語を勉強しなければいけません。

一方でNEOは、プラットフォーム内で様々なプログラミング言語を採用しています。「Java、.NET、Python、C、C#、C++」のような有名で扱える人も多い言語で開発できるので、より多くの開発者が参加できるようになっています。

最後に違いとしてガストークン(GAS)の存在があります。イーサリアムはトランザクション手数料が存在し、送付時にガス(GAS)を支払う必要があります。

NEOも同様にNEOのガストークンを発行し、このトークンでトランザクション手数料を払う方式を採用しています。

4. 中国の市場で最大限効力を発揮するよう設計

NEOは中国で効果を発揮するように設計されています。そのため、中国に適応した技術が多数含まれています。具体的には以下の4つです。

  • ・dBFT
  • ・NeoX
  • ・NeoFS
  • ・NeoQS

特にdBFTはこれからのインフラを担う技術と言われています。

NEOが採用しているコンセンサスアルゴリズムで、多くの仮想通貨保有者のなかから複数の承認者を選択して承認作業を行う方式です。簡単に言えば、NEOを持っているユーザーで選挙を行ない、取引を承認するユーザーを選ぶということです。

これにより、イーサリアムの50倍以上の処理速度を生み出すことができ、ビザンチン将軍問題に対応可能であるなどの利点があります。

◇ビザンチン将軍問題とは

ネットワーク上で複数の参加者によって意思決定される際に起こる問題です。簡単に説明すると、一部の参加者が裏切り行為やエラーを起こしたりすることです。

しかしdBFTでは、先ほども書いた通り選挙形式で承認者を選出しますが、ここで選ばれた承認者はユーザーの2/3の合意がなければ別の人に移行されます。そのため、より信頼性の高いユーザーが代表者に選ばれるようになっているのでビザンチン将軍問題の発生を抑制できるというロジックになっています。

ネオの技術的特徴

NeoXとは

NeoXは、異なるブロックチェーン同士を繋げる仕組みです。ブロックチェーンは仮想通貨ごとに設計が異なっており、仮想通貨同士を交換するには取引所を仲介する必要があります。しかし、仲介手数料がかかったり、ハッキングのリスクが潜んでいるなどの不安要素があります。この問題を解決する仕組みがこのNeoXです。

複数のブロックチェーンで一つの作業を分割して実行することができるようになるので、スマートコントラクトの可能性が広がります。

NeoFSとは

NeoFSは分散型ストレージのことです。分散型ファイルストレージシステムで、ブロックチェーンに様々なファイルを格納します。この技術をデジタルアイデンティティーと組み合わせることで、非中央集権で本人確認ができる証明書の送信や取り消しが可能となり、手続きがよりスムーズになります。

NeoQSとは

NeoQSは暗号化に関する技術です。現在使われている暗号化技術は量子コンピューターができ上がると、簡単に暗号が解かれてしまうと言われています。

そこで、NEOではNeoQSという格子暗号と呼ばれる暗号技術を利用しています。格子暗号は量子コンピューターでも解読が難しいと言われており、量子コンピューターが誕生してもNEOは安全に取引ができるようになっています。

これは量子コンピューター耐性と呼ばれており、ネオの他にはカルダノ(ADA)やアイオータ(IOTA)があります。

ただ、実際に量子コンピューターが稼働すると、仮想通貨のマイニング以外の様々なネットワーク通信が丸見えになり、誰も勝ち目がないという議論があります。

5. ブロックチェーンを利用したアプリのプラットフォームにもなっている

NEOはスマートコントラクトを実装しているため、DApps開発にも活用できます。

DAppsとは分散型アプリケーションの略で、ブロックチェーンを利用して中央管理者なしで運営ができるアプリのことです。アプリ内の取引に透明性があることや非中央集権なので自動でオペレーションできることが主なメリットです。

そしてNEOのプラットフォームでは、前述のネオガスと呼ばれるトークンがつくられています。これはNEOのプラットフォームを動かすために必要な燃料のようなものです。他のブロックチェーンでいうトランザクション手数料やマイニング手数料、ステーク報酬の役割を担います。

また、送金手数料やブロック承認に対する報酬に使用されることになっています。

6. ネオの将来性

日常生活の中でも多くの人や店がキャッシュレス決済に移行しつつあり、現代社会はNEOが目指しているスマートエコノミーと親和性が高いものに近づいてきています。

さらにNEOのCEOである、ダ・フォンフェイ氏はアリペイなどの決済サービスを今後パートナーとなりうる存在と考えているため、キャッシュレス分野に大きな影響を与える可能性があります。

また、ディベロッパー拠点が東京にあったり、ワークショップを開催していたりと、日本での活動も行われています。

時価総額もトップ30以内で推移していることから、日本のホワイトリストに入る日が来るのかもしれません。