仮想通貨(暗号資産)のニュースフィードをチェックしていると、ほぼ毎月のようにさまざまな仮想通貨取引所から「上場廃止のお知らせ」が届きます。上場廃止になったトークンを見ると、ほとんどが聞いたことのないものばかり。マイナーな仮想通貨が上場廃止になるだけなら大半の投資家に影響はないはずですが、中にはマイニング報酬などの形でそのトークンを保有している人もいるはずです。

取得の経緯はともかく、取引所で上場廃止になったトークンはその後どうなってしまうのでしょうか。マイナーな仮想通貨を保有している方に向けて、上場廃止のその後と大損をしないための対策を前編と後編にわたって解説したいと思います。

毎月のように届く「上場廃止のお知らせ」

日本国内の取引所はそもそも上場の基準が厳しいため、一度上場したものを廃止するケースは稀です。しかし、海外の取引所となると話は別です。まずは上場してみるというスタンスの取引所もあるので、バイナンスなど海外の大手取引所には数千ものトークンが上場されているケースもあります。

毎日のように新しいトークンがリリースされている世界なのでその数に驚くことはありませんが、そうなると聞いたこともないようなトークン(草コインとも呼ばれます)だらけになるのは自明の理です。

例えば、2024年9月にバイナンスが発表した「上場廃止のお知らせ」では、「HOOK」と「PDA」が上場廃止になったことが告知されました。いずれもビットコインとの通貨ペアなので、取り扱い中止になったのは「HOOK/BTC」と「PDA/BTC」です。仮想通貨の基軸通貨であるビットコインとの通貨ペアの取り扱いがなくなったことで、この2つのトークンは実質的にバイナンスでは取引できないと考えて良いでしょう。

上場廃止になるということは、すでに実質的に無価値

先ほど紹介した2つのトークン、聞いたことがある方はほとんどいないでしょう。HOOKはクイズゲームで流通させるために開発された仮想通貨で、クイズに正解したら報酬としてHOOKがもらえます。同じくPDAもゲーム内で流通する仮想通貨で、「PlayDapp」が正式名称です。おそらくこちらも聞いたことがない人がほとんどでしょう。

他の暗号資産についても然りで、大手取引所で上場廃止になる仮想通貨はほとんどが流動性の低さや利用率の低さゆえに、実質的に無価値になっているものばかりです。そのため、上場廃止になったとしても影響を受ける人はごくわずかだと思います。

しかし、だからといって一度リリースされて流通した仮想通貨なのですから、世界のどこかにこれらを保有している人がいるはずです。上場廃止になる暗号資産を保有している人は、どうするべきなのでしょうか。後編に続きます。


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