インド準備銀行(RBI)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「e-ルピー」の全国展開について慎重な姿勢を示していることが、Bloombergの報道により明らかになりました。金融の安定性を最優先に、長期的な影響を評価するため、急速な導入は行わない方針です。
RBI副総裁T.ラビ・シャンカル氏は、「急いで全国展開を進めるつもりはない」と述べ、CBDCがもたらす結果と影響を十分に理解した上で次のステップに進む計画だと強調しました。
e-ルピーのパイロットプログラムは2022年12月に開始され、2024年半ばまでに500万人以上のユーザーを獲得し、約100万件の小売取引が行われています。しかし、シャンカル氏は長期的な影響を評価する必要があると述べています。
e-ルピーの普及を目指し、インドではオフライン送金機能の開発が進められています。しかし、インドの主要なデジタル決済プラットフォームである統合決済インターフェース(UPI)が達成しているレベルにはまだ及びません。
一方、卸売りe-ルピーのプログラムは、銀行間取引や政府証券の取引を対象としており、主要な金融機関9社が参加しています。この試験は、通貨の運用設計を改良し、重要なユースケースを特定することを目的としています。
RBIは、CBDCが金融の未来における重要な役割を果たすと認識しつつも、最適な導入方法を模索している段階にあると言えるでしょう。
情報ソース:Bloomberg
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