仮想通貨と時価総額|計算方法やこれまでの推移を解説

仮想通貨の時価総額計算法やこれまでの推移を解説

仮想通貨全体の時価総額は、2017年以降飛躍的に大きくなりました。この年、日本最大の時価総額を誇る上場企業、トヨタ自動車を超え、その後もさらに拡大を続けています。しかし、仮想通貨の時価総額のうち、かなりの規模を占めるデジタルゴールドであるビットコインでも、金の時価総額には遠く及びません。

仮想通貨の時価総額

出所:CoinMarketCap

まだまだ金融市場のなかでは規模が小さな仮想通貨。

今回は時価総額の計算方法や、ビットコインのドミナンス、またこれまでの推移について説明します。

目次

時価総額の定義

時価総額の定義

仮想通貨の時価総額は、仮想通貨の規模や価値を示す指標です。「仮想通貨の発行量×市場価格」で算出され、24時間365日変動します。

  • 時価総額の計算方法 = 価格 × 発行枚数

発行枚数はそれぞれの仮想通貨によって異なりますが、発行上限枚数が決まっている仮想通貨がほとんどです。

様々な種類がある仮想通貨ですが、一般的に時価総額が大きいほど信用度が高いと言われています。これから仮想通貨の投資を考えている人や新しい仮想通貨への投資を考えている人は、時価総額を参考にすることが良いでしょう。

時価総額は常に変動するので、実際に計算する場面も出てきます。

例として、BTCとXRPの計算例を掲載します。

BTC:約15兆=約82万円(価格) × 約1800万枚(発行枚数)

XRP:約9000億=約20円(価格) × 450億枚(流通枚数)

※2020年4月28日の価格と発行枚数
※XRPは1000億枚の発行があるが、流通枚数で計算される

仮想通貨は価格変動が常に起こり続けているため、時価総額も変動し続けます。大事な投資の指標となるため覚えておきましょう。

時価総額の大きさの違い

時価総額が大きな仮想通貨と小さな仮想通貨では、どのような違いあるのでしょうか。

ひとつは価格があります。

AとBの仮想通貨の発行枚数が同じ場合、時価総額が同じであれば価格が同じです。しかし、Bの発行枚数がAの2倍だった場合、価格は半分となります。この価格が投資家心理を動かす要因になり、まだ最低投資額が変わるため、取引高や流動性も異なってきます。

一般的に、仮想通貨を所持している人が多ければ多い、仮想通貨の取引の数も増え、流動性が高まります。株式で、新興市場の株主数よりも東証1部銘柄の株主数が多いことと近いモノがあります。

流動性が安定している仮想通貨は、それだけ指定した価格で注文が成立する可能性が高まるので、指値注文をしたいユーザーには投資の判断材料となります。

一方で、発行枚数が少ないと取引量も少なくなるかもしれませんが、希少性は高まります。主要仮想通貨でビットコインよりも発行枚数が少ない仮想通貨がないことは、時価総額が最大の要因なのかもしれません。

仮想通貨のドミナンス

また、「ドミナンス」についても知っておく必要があります。ドミナンスとは「占有率・シェア」のことを指します。

例えば、ビットコインのシェアは「ビットコインドミナンス」と呼ばれ、仮想通貨市場でビットコインがどれだけの規模なのかを示します。

市場の全体を100として仮にビットコインが時価総額の60%を占めていた場合は、ビットコインドミナンスは60%となりイーサリアムなどのアルトコインは40%のなかにありす。

ドミナンスは投資の指標となります。例えば、ビットコインドミナンスが60%から50%に下がった場合、ビットコインの価値が下がり相対的にアルトコインの価値が上がったことになります。これだけでも、資金がアルトコインへ流れていると判断することができ、十分な投資判断の材料となります。

仮想通貨のドミナンス

出所:CoinMarketCap

ビットコインのドミナンスは2017年までは80%以上を超えていましたが、2017年以降は低下しており、40%前後を維持しています。

このドミナンスも、時価総額を左右する大きな要因です。

過去の時価総額の推移

過去には、どのような仮想通貨が時価総額の上位に登場したのでしょうか?

参考の仮想通貨の時価総額とドミナンスは、その年の中でもっとも時価総額が大きな時期です。

2015年から2019年のトップ5を見てみましょう。

2015年

  • 主な出来事:マウントゴックス社の代表が逮捕

・1位:ビットコイン 4,300億円:91%
・2位:リップル    136億円:2.88%
・3位:ライトコイン   101億円:2.14%
・4位:イーサリアム  44億円:0.95%
・5位:テザー    4725万円:0.01%

2016年

  • 主な出来事:6月にビットコインの2回目の半減期が到来

・1位:ビットコイン 7233億:91%
・2位:リップル    226億:2%
・3位:ライトコイン  170億:2%
・4位:イーサリアム  80億:1%
・5位:ダッシュ    22億:0.2%

2017年

  • 主な出来事:ビットコインがハードフォークし、ビットコインキャッシュが誕生

・1位:ビットコイン 1兆7261億:87%
・2位:イーサリアム   806億:3%
・3位:リップル     265億:1%
・4位:ライトコイン   239億:1%
・5位:モネロ      206億:1% 

2018年

  • 主な出来事:コインチェック社がハッキング被害を受ける

・1位:ビットコイン   29.7兆:87%
・2位:リップル     14.1兆:15.7%
・3位:イーサリアム   12.1兆:13.5%
・4位:ビットコインキャッシュ 5.1兆:5.6%
・5位:ライトコイン   1.7兆:1.9%

※仮想通貨の時価総額は1月前半に90兆円規模

2019年

  • 主な出来事:イーサリアムが大型アップデート「コンスタンティノーブル」を完了

・1位:ビットコイン  17兆:70%
・2位:イーサリアム   1兆:7%
・3位:リップル   1兆:4%
・4位:ビットコインキャッシュ 5,000億:1%
・5位:テザー    5,000億:1%

2020年以降

2015年あたりはビットコイン一強でドミナンスも90%以上と非常に高い状況でしたが、イーサリアムやリップルなどのアルトコインが徐々に登場し始めるとドミナンスが低下してきました。

また、ビットコインからハードフォークして生まれたビットコインキャッシュの時価総額が大きな時期もありました。

2019年までのランキングに名前がなかった仮想通貨では、イーロン・マスクの注目度が世界的に高まるなかで、彼が推奨したドージ・コインの時価総額ランキングが10位以内に入ってくるなどの変化もありました。

しかし、1位がビットコイン、2位がイーサリアムという状況に変わりはなく、3位以下の変遷はあるものの、トップ1・2は固定的な市場となっていると言えるのかもしれません。

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