ポルカドット(Polkadot)とは?注目されている理由や今後について解説

ポルカドット(Polkadot)とは?注目されている理由や今後について解説

2020年8月に突如として仮想通貨の時価総額ランキングに入ってきたポルカドット(Polkadot)。

これはどのような仮想通貨なのか、そもそもブロックチェーンなのか、よく分からないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ポルカドットとは何か。なぜ注目されていたのか。そして、今後どうなるのかについて解説します。

目次

ポルカドットとは?

ポルカドット(Polkadot)とは、異なるブロックチェーン同士をつなぐプロジェクトです。イーサリアムの共同創業者兼元CTOであるゲビン・ウッド(Gavin Wood)氏も開発に関わっていることから、大きな注目を集めています。

ポルカドット開発チーム

出所:Polkadot

マルチチェーン

ポルカドットの異なるブロックチェーンをつなぐ技術をマルチチェーンといいます。

既存のブロックチェーンは仮想通貨の分散管理を成功させていましたが、異なるブロックチェーン間でデータを共有することは不可能でした。仮想通貨の種類が変わればブロックチェーンも異なるため、データを共有することはできなかったのです。

その課題を解決したのがマルチチェーンです。ブロックチェーン同士をそのままつなぐのではなく、各ブロックチェーンに対してサイドチェーンというものをつくります。そして、このサイドチェーン同士を同じ規格にすることで、データを共有できるという画期的な仕組みになっています。

ブロックチェーンの枠組みを超えてデータを共有できるこの画期的な仕組みに、注目が集まっているのです。

2020年5月にはメインネットをローンチしており、バイナンス(Binance)やフォビ・グローバル(Huobi Global)などの大手取引所で取り扱いを開始。ポルカドットのトークンであるドット(DOT)の価格は大きく上昇しました。9月時点で、時価総額は4500億円程度あります。

◇ポルカドットのチャート(2020年8月~9月)

ポルカドットのチャート(2020年8月~9月)

出所:CoinGecko(最新チャートは公式サイトをご覧ください)

ICOでも巨額の資金調達

ポルカドットは、2017年10月にICOで500万DOTを約150億円で資金調達。その後、2019年9月には50万DOT配布し、65億の資金調達を行なったと推定されています。

また2020年6月には、プライベートセールで約45億円~65億円を調達したとみられています。

ポルカドットに使われている新技術

ポルカドットには、大きく3つの技術があります。

  • リレーチェーン(Reley chain)
  • パラチェーン(Parachain)
  • ブリッジ(Bridges)
ポルカドットに使われている新技術

リレーチェーン

先述したマルチチェーンの主軸であり、それぞれのブロックチェーンの接続先となっています。ブロックチェーンの処理の伝搬は、このリレーチェーンで行われます。

パラチェーン

パラチェーンは、各処理を並行させるためのチェーンです。ポルカドットは基本的に処理を1カ所に集約させることでセキュリティーを強固にしているのですが、処理の性質上チェーンを独立させた方が良い場合もあります。そのようなパターンにおいて、断片的に処理を独立させるためにパラチェーンが使われているのです。

ブリッジ

ブリッジは、チェーン同士をつなぐ役割を担っています。互換性のあるチェーン同士はもちろん、互換性のないチェーン同士をつなぐ役割を果たしています。

これらをうまく組み合わせることで異なるブロックチェーン同士をつなげ、Web3.0の実現を行おうとしているのです。

ポルカドットのブリッジ

出所:Polkadot White Paper

ポルカドットネットワーク参加者の役割

これら3つの技術には、4つの参加者が存在します。

  • バリデーター
  • ノミネーター
  • コレーター
  • フィッシャーマン
ポルカドットのコンセンサスルール

出所:Polkadot

バリデータ

バリデーターはノミネーターに選ばれ、コレータ―から送られたブロックを検証してリレーチェーンに追加します。

ノミネーター

ノミネーターはバリデーターを選出します。

コレーター

コレーターは各チェーンで発生した処理の照合を行い、リレーチェーンに提出します。

フィッシャーマン

フィッシャーマン はバリデーターの監視を行い、バリデーターの違反を見つけると報酬を没収する役割を担っています。

ポルカドットのフィッシャーマン

出所:Polkadot White Paper

ポルカドットのもうひとつの目的

ポルカドットのもうひとつの目的

ポルカドットはマルチチェーンの技術で注目されていますが、もうひとつ重要な目的があります。それはWeb3.0の実現です。

Web3.0は具体的な定義はないのですが、簡単に言うと今までの中央集権的なWebを卒業して、データ管理を個人に委託する新しいWeb形態です。

つまり仮想通貨の枠組みだけでなく、Web全体を変えるという壮大な目的を持って動いているのです。マルチチェーンもドットもWeb3.0の一環という位置づけになります。

これからの動向について

ポルカドットは新たに複数のプロジェクトを導入しており、直近だとPolimecという仮想通貨トークン発行プロジェクトの導入に向けて動いています。Polimecは、手数料削減などのメリットが得られる仕組みです。

ポルカドットの分散Web3.0は注目度が高く、また現実的な技術でもあります。これまではオンライン上でデータを一カ所に集約するデメリットや個人の情報を企業が独占している状況が問題視されていましたが、その大きな課題を解決する可能性があります。

つまり現実的な課題を解決するという意味で、ポルカドットは第一線を走っているということになります。またドットにも用いられているマルチチェーンの技術を活用し、Web3.0を実現していくことは確実だと予測されています。

ドットのステーキングも可能

時価総額トップ10入りしたことから、トークンのドットは投資家からの人気が急上昇しています。その背景にはWeb3.0があり、ステーキングにも対応していることが挙げられます。

ドットを購入することで、社会問題の解決にも貢献できますので、ポルカドットはこれからも注目されるブロックチェーンプロジェクトだといえるでしょう。

その後のポルカドット

ポルカドットは2021年11月に50ドル台の高値をつけましたが、これをピークに下落へ向かい、その後は10ドルを割り込む水準で推移しています。とはいえ、仮想通貨市場自体の時価総額縮小も同時期に起きていたため、時価総額ランキングで10位前後に位置していることは変わりません。

その後のポルカドット価格推移

出所:GoogleTrends

Googleトレンドでは、2020年8月から2021年11月にかけて注目されていたものの、その後は人気を失っていったことが見て取れます。

とはいえ、仮想通貨の歴史は、高騰と暴落、低迷からの復活が繰り返されています。ポルカドットの持つ可能性を考えると、今後も期待の存在であることに変わりはなさそうです。

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