ドナルド・トランプ大統領はカナダおよびメキシコからの輸入品に対し25%、中国からの輸入品に対し10%の追加関税を課す大統領令に署名しました。この決定により米国経済や国際貿易への影響が懸念される中、ビットコイン市場への波及についても注目が集まっています。

BitwiseのHead of Alpha Strategiesであるジェフ・パーク氏は、この関税政策の背景には「トリフィンのジレンマ」とトランプ氏の個人的な目標があると指摘しています。「トリフィンのジレンマ」とは、米ドルが世界の基軸通貨であるがゆえに過大評価され、米国が恒常的な貿易赤字を維持せざるを得ないという構造的な問題です。この問題に対して関税というカードを利用し、トランプ政権がドル安誘導を目指している可能性があるとパーク氏は分析しています。

パーク氏は「交渉手段として関税を利用しつつ、米国の金利低下とドル準備高の削減を進めることが狙いではないか」との見解を示しています。特に米国財務省が短期債への依存を強めていることから、長期金利の引き下げが政権の重要課題となっていると考えられます。これは、不動産を多く保有するトランプ氏自身の利益にもつながる可能性があると指摘されています。

このような状況下でビットコイン市場にはどのような影響があるのでしょうか。パーク氏によると、ドル安や金利低下の環境下ではビットコインの価格上昇が加速する可能性が高いとのことです。また、関税の影響でインフレが進み、各国政府が通貨切り下げや景気刺激策を実施することでビットコインなどのリスク資産が一層注目される可能性があるとしています。

同氏は現在の世界経済は「戦争状態」にあるとも指摘しており、その影響を受けて資本の逃避先としてビットコインの需要が高まるとの見立てを示しています。

ブロックチェーン技術の発達によって資本移動が瞬時に行われる環境が整っている現代において今後の経済動向に引き続き注目が集まります。

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