Web3技術は進化していますが、複雑さから一般普及には至っていません。この課題に対し、既存Web2プラットフォームの利便性を活用しWeb3への移行を促すプロジェクトが注目されています。「Cygnus」はInstagramとの連携を軸に、Web3の新たな可能性を開拓しています。

Cygnusは、ソーシャルメディアとブロックチェーンを融合し、「Account-Fi」という新領域でユーザーのソーシャル活動に経済的価値を与えることを目指します。本記事では、Cygnusの戦略、Account-Fiの概念、TONとの比較、独自トークン$CYGNUSについて解説します。

Cygnusとは:次世代ソーシャルファイナンス

CygnusはWeb3普及とクリエイターエコノミー強化を目指すプロジェクトです。核となるのは、Web3 Instagram App Layerとモジュラーリアルイールドインフラから成るプロトコルです。

Instagram起点の急成長戦略

Cygnusの中核戦略はInstagramとの連携です。「初のWeb3 Instagram App Layer」として、InstagramをWeb3対応プラットフォームに変革しようとしています。

Instagramの月間アクティブユーザー25億人を超えており、特に若年層が多く、ユーザー一人当たりの平均収益(ARPU)は約30ドルと高いことが特徴です。

Cygnusの技術的鍵は「アカウント抽象化(AA)」です 。既存InstagramアカウントでWeb3ウォレットを生成・利用することで、初心者のオンボーディングを簡素化しています。

Instagramとの深い連携を実現することで、CygnusのMini Dappユーザー数は730万人を達成し、3月の累計訪問者は9億800万人に到達しました。ユーザー収入は1700万ドルを超えるなど、優れたユーザー数と収益を記録しています。

新領域「Account-Fi」:ソーシャル活動を資産に

Cygnusが提唱する「Account-Fi」は、ユーザーのソーシャルメディア活動をブロックチェーン上の「オンチェーン担保」に転換する試みです。このソーシャルキャピタルを信用スコアリングやAI学習に活用し、オンチェーン資産を生み出すことを目指します。

技術基盤はモジュラーリアルイールドレイヤーと流動性検証システム(LVS) であり、ステーキング報酬や手数料の形で「リアルイールド」を提供します 。一部サービスは米財務省短期証券など実世界資産(RWA)にも裏付けられています。

既にCygnusのTVLは8億4700万ドル超を記録。イーサリアムやArbitrumやOptimisim、Baseといった主要チェーンにおいて、多くの資産が活用されています。

Cygnus vs TON:ソーシャルWeb3戦略比較

Cygnusの競合として挙げられるのがTelegramyと深い連携を持つ「TON」ネットワークです。

両者は大規模ソーシャルプラットフォーム連携でWeb2ユーザー獲得を目指す点で共通しますが、戦略は異なります。TONはTelegramと統合しメッセージ中心ですが、Cygnusはビジュアルコンテンツ主導のInstagramを主戦場とします。

しかしながら、InstagramはARPUが約30ドルとTelegram(約1ドル)より高く、CygnusのAccount-Fiやクリエイター収益化戦略に適しています。

CygnusはTONの短期的な市場形成に対し、クリエイターエコノミー育成や「リアルイールド」で持続可能な成長を目指しています。TONが独自インフラを拡大する一方 、Cygnusはデュアルレイヤープロトコルに注力。また、Cygnusは非EVM互換システム(TONなど)とEVM互換エコシステムのブリッジも目指しています。

クリエイター支援では、TONがTelegram Mini Apps基盤や助成金を提供するのに対し、CygnusはInstagram内に収益化ツールを直接統合することに重点を置いていることが、差別化の一つとなっています。

主要戦略比較

特徴/側面 Cygnus TON (The Open Network)
主要ソーシャルプラットフォーム Instagram Telegram
ユーザーオンボーディング機構 アカウント抽象化(AA)によるInstagramアカウント連携、InstaPlayハブ Telegram内ウォレット機能、Telegram Mini Apps
主要ユーザー層特性 ARPU約$30。若年層が中心であり、商業的活動に積極的 ARPU約$1、広範なユーザーベース
コアマネタイズ戦略 Account-Fi(ソーシャル行動の資産化)、クリエイターエコノミー収益化 トランザクション手数料、ステーキング、TONエコシステム内サービス利用
エコシステム焦点 Web3 Instagram App Layer、モジュラーリアルイールドインフラ 包括的なL1ブロックチェーンエコシステム
持続可能性へのアプローチ 「リアルイールド」、クリエイター中心の持続可能な経済モデル エコシステム拡大とユーティリティ向上によるネットワーク価値の増大
クリエイターツール思想 Instagram内での直接的な収益化ツール統合 Telegram Mini Appsを通じた多様なアプリケーション開発支援、助成金プログラム

Cygnusが描くクリエイターエコノミー機能

Cygnusはクリエイターが価値を公正に享受し、持続可能な収益源を確保できる機能を構築。ブロックチェーンを活用した透明性の高いマネタイズモデルを実現しようとしています。

計画中の機能は、「広告とクリエイター支援の組み合わせ」と「バーチャルギフトシステム」です。

広告ではクリエイターが広告とインタラクションし報酬を得ます。バーチャルギフトではユーザーがクリエイターを直接支援できます。これらはAccount-Fiと連携し、クリエイターのオンチェーン上のソーシャルキャピタル向上に繋がる可能性があります。

$CYGNUSトークン:エコシステムを駆動、25年中旬にTGEを予定

Cygnusは独自トークン$CYGNUSの発行を予定しており、$CYGNUSはプラットフォーム運営、セキュリティなど有機的なCygnusエコシステムの構築に不可欠な役割を果たします。

主要機能として、以下の点が挙げられます。

  • セキュリティとバリデーション:LVSへのステーキングで流動性とセキュリティ確保に貢献し、報酬を獲得。
  • ユーザーとクリエイターへのインセンティブ:オンチェーン活動やコミュニティ貢献で獲得可能。
  • ガス代:ネットワーク内取引手数料として使用。
  • ガバナンス:プラットフォームの意思決定に参加する権利を獲得。

Cygnusの複数の収益源(LVS手数料、シーケンサー手数料など )が、$CYGNUSトークンの価値を支え、Account-Fiやクリエイターエコノミー機能の成功につながることが期待されています。

Cygnusのロードマップ:トークン生成イベント(TGE)は2025年Q2を予定

Cygnusのブロックチェーン拡張ロードマップは明確に公開されており、$CYGNUSのトークン生成イベント(TGE)は2025年第二四半期を予定しています。

第三四半期には、「メインネットのアップグレード」や「TVL10億ドル達成」、「エコシステムの多角化」、「トランザクション手数料の削減」など、Cygnus全体に関わる目標が掲げられています。

 まとめ

CygnusはInstagramをテコにWeb3マスアダプションを目指し、Account-Fiという新たな観点からクリエイター中心の新経済圏を構築しようとしています。

Cygnusは既に多くのユーザーを抱えているものの、TGEはまだ行われておらずアーリーの段階といえます。今回の記事をきっかけに、Web3ソーシャル革命の先頭を走るCygnusエコシステムに参入してみてはいかがでしょうか?

Cygnus各種情報

Cygnus公式サイト:https://www.cygnus.finance/

Cygnus公式X:https://x.com/CygnusFi

Cygnus公式Instagram:https://www.instagram.com/cygnusfi/#

Cygnus公式Discord:https://discord.com/invite/ErgQ79Qd3E

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