「日本のマイクロストラテジー」として株式市場に現れた株式会社メタプラネット。ビットコインを買い進める大胆な戦略で投資家の期待を集め、2024年4月には20円だった株価はその約一年後の2025年6月16日には1895円を記録。90倍以上の急騰となり、メタプラネット社の時価総額も1兆円を突破する勢いとなりました。
しかし、その後の急落。
このジェットコースターのような値動きに、「一体何が起きているの?」「今から投資しても大丈夫?」と不安や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではメタプラネットの現状を徹底解剖します。
- なぜビットコインを買い漁るのか?その戦略の全貌
- 株価急落の裏にある「EVO FUND」の正体とは?
- メタプラネット株とビットコイン現物、本当に買うべきはどっち?
巷の噂や憶測に惑わされず正しい知識で投資判断を下したいあなたへ。この記事一本でメタプラネットに関する全ての疑問を解消し賢く投資を始める方法まで理解できます。
メタプラネットとは?なぜビットコインを買い漁るのか
株式会社メタプラネットは1999年、CDの企画・制作・販売を行う「ダイキサウンド株式会社」として始まりました。しかし、音楽業界におけるCD販売の縮小という構造変化に直面。2013年4月にホテル運営事業に進出し、2014年1月には「株式会社レッド・プラネット・ジャパン」に社名を変更しました。
しかしながら2023年2月、同社は「株式会社メタプラネット」として「ビットコイン・トレジャリー企業」へと大きく方針転換。ビットコインを大量に購入し始めました。
その理由は、主に2つあると説明されています。
- 深刻な円安へのヘッジ:長期的に価値が下落し続ける日本円への強力なヘッジ(リスク回避)手段として、国や中央銀行から独立したデジタル資産であるビットコインに白羽の矢を立てました。
- 日本におけるビットコイン投資の新たな選択肢:税制の問題などからビットコインを直接保有しにくい日本の投資家に対し、株式という形で間接的にビットコインへ投資できる環境を提供することを目指しています。
この戦略は、すでにビットコインを大量保有して企業価値を大きく向上させた米国の「マイクロストラテジー社」を彷彿とさせるものであり、メタプラネットは「和製マイクロストラテジー」として、多くの投資家から熱い視線を集めることになったのです。
メタプラネットは過大評価?潜む3つのリスク
期待先行で株価が高騰したメタプラネットですが、その裏に潜むリスクを理解せず投資するのは非常に危険です。ここでは、投資家が知るべき3つのリスクを中立的な立場で解説します。
リスク①:異常なPBRの高さは「期待」と「危険」の表裏一体
PBR(株価純資産倍率)は、企業の純資産に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標で、一般的に1倍が基準とされます。
しかし、メタプラネットのPBRは一時30倍に近づくなど、市場平均を大きく上回る水準で推移しています。これは、同社が保有する純資産(主にビットコイン)の価値以上に株価が大きく評価されている状態を意味します。
- ポジティブな側面:将来的なビットコイン価格のさらなる上昇を、市場が株価に織り込んでいる「期待の現れ」と捉えられます。
- ネガティブな側面:ビットコイン価格が下落したり、市場の期待が剥落したりした場合、株価が理論値を大きく超えている分、暴落するリスクも大きいと言えます。
リスク②:株価急落の影に「EVO FUND」あり?
メタプラネットの資金調達において、重要な役割を担っているのが「EVO FUND」です。
メタプラネットはEVO FUNDを引受先とする第三者割当増資(MSワラント)によって、ビットコインの購入資金を調達しています。
【簡単解説】MSワラントの仕組み
- メタプラネットが、将来株式を「あらかじめ決められた価格で買える権利(新株予約権)」をEVO FUNDに発行します。
- EVO FUNDは、この権利を行使してメタプラネットの株式を市場価格より安く手に入れます。
- その株式を市場で売却し、差額を利益として得ます。
この仕組みにより、メタプラネットは迅速に資金を調達できますが、一方でEVO FUNDによる大量の売り圧力が常に発生しうるという構造的な問題を抱えています。実際に、株価が急騰した後の急落はこの売り圧力が一因ではないかと市場では見られています。
EVO FUNDは資金を提供するパートナーであると同時に、そのビジネスモデル上、株価の上値を抑える要因にもなりうる諸刃の剣なのです。
リスク③:個人投資家を惑わす激しい株価変動
言うまでもなく、メタプラネットの株価は非常にボラティリティ(価格変動)が激しい状態です。短期的なニュースや憶測で価格が乱高下するため、冷静な判断が難しく短期的な売買で利益を狙うのはプロでも至難の業です。
感情的なトレードは、大きな損失に繋がる可能性が極めて高いと言えるでしょう。
結局、「メタプラネット株」vs「ビットコイン現物」どっちに投資すべき?
メタプラネットのリスクを理解した上で、多くの人が抱くのは「結局、株とビットコイン現物どっちがいいの?」という疑問でしょう。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、あなたに合った投資スタイルを見つけましょう。
比較項目 | メタプラネット株 | ビットコイン(現物) |
---|---|---|
手軽さ | ◎(証券口座で買える) | ◯(仮想通貨取引所が必要) |
コスト | △(間接的な保有コスト) | ◎(保有コストは基本なし) |
企業リスク | △(倒産・経営リスクあり) | ◎(発行体が存在しない) |
希薄化リスク | △(増資による価値の希薄化) | ◎(発行上限2100万枚) |
所有権 | ✕(間接的な保有) | ◎(自分自身で直接保有) |
リターン | ◯(BTC価格以上に変動も) | ◎(BTC価格と素直に連動) |
結論として、
- 手軽さを最優先し、株式市場でビットコインの値動きを体験したい → メタプラネット株
- 企業の経営リスクを避け資産の所有権を持ち、ビットコインの本質的な価値に投資したい → ビットコイン現物
という選択になるでしょう。長期的な資産形成を考えるならば、仲介者やカウンターパーティリスクのないビットコイン現物を直接保有する優位性は非常に高いと言えるでしょう。
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