企業による数十億ドル規模のビットコイン(BTC)購入が続いているにもかかわらず、価格が過去6ヶ月間ほぼ変動しない状況が続いています。

この現象は暗号資産市場で広く疑問視されており、あるツイッターユーザーの問いかけには1,300件以上の返信が寄せられました。著名なビットコイン懐疑派のピーター・シフ氏は「初期からの大口保有者が利益確定のために売却している」と指摘しました。

一方で、マクロ経済や暗号資産の分析を提供する専門家SightBringer氏は現在の市場を「制御された点火室」と表現し、価格が動かない理由を多角的に解説しています。

第一に、ブラックロックやフィデリティといった大手機関が上場投資信託(ETF)を通じて現物のビットコインを長期保有目的で実際に購入している点です。これにより取引所からビットコインが継続的に吸収され、市場の供給量が減少しています。

第二に、多くの取引所における流動性は実際のコインの移動を伴わない「ペーパービットコイン」つまりIOU(借用証書)による見せかけのものである可能性が指摘されています。これにより、取引高は大きく見えますが実際の需給への影響は限定的です。

第三に、初期のマイナーなど「クジラ」と呼ばれる大口保有者が、市場価格に影響を与えないよう静かに売却を進めている点です。彼らは公開市場を避けOTC(相対取引)などを通じて需要に応じることで、価格の急騰を防いでいるとみられます。

第四に、大手機関はコンプライアンス対応や決済システムへの統合を円滑に進めるため価格の安定を必要としています。ボラティリティが抑制されることでビットコインは投資対象としての信頼性を高めています。

最後に、これらの要因が組み合わさり将来の本格的な価格上昇が意図的に遅延されている可能性があるという見方です。

大手プレイヤーは、価格が急騰して手が届かなくなる前に準備を整えている段階にあると分析されています。現在の価格停滞は、新たな市場への移行期における戦略的な動きの結果である可能性を示唆しています。


The post なぜビットコイン価格は停滞?専門家が語る「5つの理由」 appeared first on CRYPTO TIMES