コンサルティング企業のフロスト&サリバンは2025年までのドローン配送のグローバル展開を発表し、その中でセキュリティ対策にブロックチェーンを採用することを明らかにした。

配送ドローン2025年までに220万台に到達見込み

フロスト&サリバンが公開したレポート「ドローン配送のグローバル展望と市場機会」によると、Eコマースで利用される配送ドローン(マルチコプター型および固定翼型)はグローバルで2025年までに220万台に到達する見込みだ。

このトレンドはテック企業やEコマース企業にも浸透している。ドローン配送の試験飛行はFlirtey、Flytrex、Ziplineなどのドローン配送ベンチャーや、Amazon、アルファベット、アリババ、JD.com、エアバス、UPSといった企業によって、これまでに米国、イギリス、カナダ、オーストラリア、日本、スイスを含む15カ国で実施されている。

Eコマースやドローンベンチャーだけでなく、異業種からの配送ドローン参入も多いため、ドローン市場を牽引することが期待されている。

サイバーセキュリティ対策にブロックチェーン採用

ドローン配送の規模が拡大すると重要になるのがサイバーセキュリティだ。フロスト&サリバンはセキュリティ対策のため、ブロックチェーン技術に投資する。

ブロックチェーンを用いて、安全かつ正確な追跡調査や飛行制御を行う。ブロックチェーンによってネットワークを構築し、ドローン同士やコマンドセンター同士、またはエンドユーザーの携帯電話とセキュアな交信をすることも可能になる。

インフラ整備の課題

フロスト&サリバンのモビリティ部門コンサルタントのジョー・プラヴィーンは「ドローン配送サービスは今後次第に拡大し、企業にも大きな市場機会をもたらすことが見込まれます。ドローン配送サービスが生み出す市場機会を活用するためには、ドローン飛行規制の策定が求められます。米国の多くの州では、ドローンの飛行許可が認められる状況や用途に関する法規制の枠組みが策定中です」と話す。

つまり現時点では米国内で商用ドローンを飛ばすことについて法整備が追いついていないのが現状だ。

法整備以外にも、ドローン配送のインフラ整備のために残っている課題はいくつかある。

ひとつはドローン配送の円滑な運用のための、ディストリビューションハブや配送プラットフォーム、充電ステーションなどのサポートインフラの確立。

もうひとつは新たなビジネスモデルや収益モデルの確立のために、使用目的毎の特定のニーズに対応したドローンの開発だ。

さらに、ドローンの騒音や故障・墜落といったリスクといった対処も必要だ。

米国だけでなく、日本でも配送業界におけるラストワンマイルのリソース不足は問題となっている。市場拡大のためにはプロダクトの改善と、法整備の両方が求められる。

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