ルクセンブルグの仮想通貨関連テック企業のブロックチェーン社が26日、57種のステーブルコインに対する調査結果をまとめた「ステーブルコインの現状」と題するレポートを発表した。

ステーブルコインは、法定通貨や商品などと価格を連動させることで価格を安定させた仮想通貨である。「テザー(USDT)」が有名であるほか、先月には米大手仮想通貨取引所ジェミニによる独自のステーブルコイン「ジェミニドル(GUSD)」や、米ブロックチェーン企業のパクソス社による「パクソス・スタンダード(PAX)」の発行と当局による承認が発表されるなど、参入が相次いでいる。価格が不安定であるという仮想通貨のデメリットを克服するコインとして注目されている。

同調査では、全てのステーブルコインの一日当たりの取引量のうち、USDTが約98%を占めることを明らかにした。時価総額ベースでは、全ステーブルコインの時価総額合計値のうち、USDTが約93%を占めるという。全ステーブルコインの時価総額の合計値は30億米ドルにのぼり、仮想通貨市場全体の時価総額のうち、1.5%を占めるようだ。

レポートでは、USDTが、ステーブルコインを取り扱っている50の仮想通貨取引所のうち、46の取引所で取り扱われ、クラーケン、フオビ、オーケーイーエックス、バイナンスなど主要取引所での取り扱いが多いことも特徴だと伝えている。

USDTを巡っては、仮想通貨市場操作に利用されているのではないかという疑惑がまだ晴れていない状態であるものの、ステーブルコインの中で圧倒的な流通量と市場規模を誇ることが明らかになった。時価総額ベースでは、全仮想通貨の中で第8位(1日時点のコインマーケットキャップより)に位置し、旺盛な需要がある。


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