仮想通貨の時価総額2位のイーサリアム(ETH)はバブル崩壊後、ビットコイン(BTC)同様に低迷期が続きました。しかし、2019年には大きな価格変動を見せたのです。この記事では、2019年のイーサリアム(ETH)まとめと、2020年の価格を大きく動かす好材料について解説します。

【2019年】イーサリアム(ETH)振り返り

2017年の仮想通貨バブルにおいて、時価総額トップを走り続けるビットコイン(BTC)に注目が集まりましたが、イーサリアムも技術力の高さから大きな価格変動がありました。

2018年に仮想通貨バブルが崩壊をしたときに、イーサリアムもビットコイン同様に大暴落をしましたが、2019年になってから、横ばいになっていたチャートに変化が起こりました。主に下記のポイントで大きな価格変動があります。

  • 2019年3月【上昇トレンド】
  • 2019年6月【2019年の最高値】
  • 2019年7月【下降トレンド】

2019年、イーサリアムは上半期を中心に大きな動きを見せました。2019年6月には最高値を更新するものの、ビットコインと同様に上半期にかけて下降トレンドになっています。

2019年3月から上昇トレンド

参照:CoinGecko

仮想通貨の低迷期が続いた2018年からイーサリアムは$100(10,000円前後)でしたが、2019年3月から急騰しました。同時期にビットコインも上昇トレンドに乗ったことから、仮想通貨の復活とも言われました。

2019年6月は最高値に到達

2019年6月にはシーズン最高値である$337(36,000円前後)に到達。ビットコインも2019年6月にシーズンの最高値である$12,996(140万円前後)まで上昇しました。2019年は仮想通貨が復活を遂げると期待されていたこともあり、上半期の価格上昇は相場に大きな影響をもたらしました。

2019年7月【下降トレンド】

2019年3月から上昇トレンドに乗っていたものの、7月には急落を見せました。最高値から計算をすると、わずか1〜2週間で$110(12,000円前後)下落しています。

【2019年】イーサリアム(ETH)の出来事と下落理由

2019年6月、1ETHあたり約36,000円のシーズン最高値を記録しましたが、下半期にかけて下降トレンドに突入しています。

世界情勢は仮想通貨の価格に大きな影響を与えると言われているように、イーサリアム界隈でも大きなニュースがありました。

ICOの規制強化

イーサリアムの価格が上がらない理由としてICO(Initial Coin Offering)の規制強化が考えられます。ICOとは、トークンを発行した資金調達方法です。イーサリアムのネットワークを利用したICOの代表例がEOSです。

EOSはICOによって約4,400億円の資金を調達しました。この金額は過去のICOを見ても異例の数字です。2018年の下半期から資金調達で使われたイーサリアムが売却されはじめました。2018年〜2019年にかけて価格上昇が起こらなかったのは売り圧の強さも影響されています。

ICOは実行までのプロセスが容易なことから出資も募りやすく、資金調達後にプロジェクトがなくなるような詐欺も横行しました。これにより、各国でICOを禁止するなど規制強化がおこなわれました。

アップデートの問題を抱えていた

イーサリアムは発行されてから4段階のアップデートを経て完成します。

  • フロンティア
  • ホームステッド
  • メトロポリス
  • セレニティ

2019年の段階ではメトロポリスの実装に向けた動きをしていたことから、イーサリアムのアップデートは完全ではありませんでした。これらの影響もあり、イーサリアムの価格が伸び悩んでいた可能性があります。

【2020年】イーサリアムの価格が上昇する好材料

イーサリアムのアップデート問題を抱えており、伸び悩みを見せていますが、2020年にイーサリアムの価格が上昇する好材料はいくつかあります。

アップデートの完了

上述したように、イーサリアムは4段階でアップデートをおこないます。2019年12月8日に大型アップデートであるイスタンブールが実装されました。

イスタンブールの実装はセレニティ(ETH2.0)ではなく、現行のイーサリアムネットワークに関する実装となります。現在、イーサリアムの開発段階はメトロポリスであり、セレニティは2020年のローンチを予定しているので、価格にも影響を及ぼす可能性が高いです。

EAAによる実用化

イーサリアムのスマートコントラクト技術を利用したいと考えている企業は多く、2017年2月からEAA(イーサリアム企業連合)が設立されました。

国内ではMUFGグループやKDDI、NTTデータなども名乗りをあげています。イーサリアム開発の進化にともない、「契約の自動化」という特徴を持っているイーサリアムネットワークの需要も高まると考えられ、イーサリアムの価格も高騰すると言われています。

イーサリアムの考案者である「ヴィタリック・ブテリン」氏は、セレティの実装後は価格が急騰すると予想。開発者である「ヴィタリック・ブテリン」氏が強気な姿勢を見せていることから期待が寄せられています。

【2020年】イーサリアムはアップデート次第で価格が大きく変動する

仮想通貨バブルが崩壊してから、ビットコイン同様に低迷期が続いていましたが、2019年12月にイスタンブールが実装されました。現在、イーサリアムの開発段階はメトロポリスですが、2020年にセレニティのローンチが予定されているので、アップデート次第では相場に大きな影響をもたらすと考えられます。

また、イーサリアムネットワークの醍醐味であるスマートコントラクトを支持する企業も多く、実用化に向けて少しずつ近づいていることから、イーサリアムのプラットフォームを利用したコインの価格にも目が離せません。

 

イーサリアム(ETH)の関連記事

Bancoorがリアルの物とNFTを紐付ける新技術『ブロックチェーンカード』開発

マレーシアに拠点をもつブロックチェーン企業のBancoorは、ベトナムで開催されたブロックチェーンイベント「CRYPTO TRENDS 2020」にて、トレーディングカードなどリアルな「物」と「NFT … 続きを読む Bancoorがリアルの物とNFTを紐付ける新技術『ブロックチェーンカード』開発

メットライフ、生命保険にイーサリアムを採用した『ライフチェーン』提供へ

保険大手のメットライフは、死亡診断書が発行されると自動で契約や請求が実行される生命保険サービス『Lifechain(ライフチェーン)』にイーサリアムブロックチェーンを採用するとForbesが報じた。 … 続きを読む メットライフ、生命保険にイーサリアムを採用した『ライフチェーン』提供へ

The post 2019年イーサリアムの振り返りと2020年の価格予想 appeared first on Coin7 仮想通貨ニュースメディア.