「実際ブロックチェーンって使われるようになるの?(使われているの?)」

この問いは、仮想通貨やブロックチェーンに興味のある多くの方が抱くものではないでしょうか?ブロックチェーンの最も有名な活用事例はビットコインですが、仮想通貨以外のユースケース(事例)をあまり耳にしないという方は多いはずです。

もちろん既に当メディアでは、数々のブロックチェーン活用事例を紹介しています。当メディアのコアな読者の方は、そのような疑問は持っていないかもしれません。

ただ、世間一般的にはブロックチェーンが社会で活用されていくイメージが沸かないという方がほとんどです。そこで本記事では、日本でも活用事例が増えていくと予想される証券(セキュリティ)分野の注目ニュースをピックアップしていきます。

2020年の法改正がセキュリティトークンの契機となるか?

そもそもなぜ、国内の証券分野でブロックチェーンの応用が進んでいくと考えられるのでしょうか?その理由は法改正にあります。

2019年5月末、仮想通貨やブロックチェーン上で流通する株式や債券などの有価証券(セキュリティトークン)を規制する法律の改正案が国会で可決されました(資金決済法や金融商品取引法など)。

この改正法によって、それまで不明瞭あるいは二重規制の状態だったセキュリティトークンに対する法規制が明確になったため、大手企業などでの事例が増えてくると予想されるのです。改正法は2020年6月までに施行されます。

なお、セキュリティトークンの基本的な説明やメリットは以下の記事で解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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セキュリティトークンの注目ニュース紹介

それでは、実際に国内企業のセキュリティトークン関連の注目ニュースに目を向けていきましょう。

東京リード・リアルエステートが不動産をトークン化

東京に本社を置く「株式会社東京リード・リアルエステート」は、セキュリティトークンを発行して調達した資金を使って、東京都内でマンションやホテルを開発すると発表しています(2019年10月)。銀座や新宿、渋谷、恵比寿、品川、目黒の物件をデジタルトークンとして発行し、開発を進めていく予定です。

2020年の東京オリンピックに向け、東京の不動産市場は活況であり、同社のセキュリティトークン発行はこの状況に対応したものだと言えるでしょう。このニュースは、セキュリティトークンがじわじわと国内企業で検討・活用され始めていることを表しています。

また、トークン発行にあたっては、アメリカに本社を置く企業「Securitize」が提供するセキュリティトークンの発行プラットフォームが利用される予定です。Securitizeは、発行したトークンの管理や法令遵守などの機能を提供しており、セキュリティトークンを発行する事業者のコストを削減してくれます。

日本市場に進出するSecuritize

2020年以降、セキュリティトークンに関する国内の規制環境が整備されるため、関連企業が日本市場に進出しつつあります。

東京リード・リアルエステートの事例でも取り上げたSecuritizeは、2019年12月に国内のブロックチェーン企業「BUIDL」を買収し、同社を100%子会社化しました。BUIDLは過去、銀行や保険、不動産など様々な企業でコンサルティングや開発を行ってきた企業です。

Securitizeの動きは、資金決済法や金融商品取引法など法改正に合わせたものと考えて良いでしょう。同社は今後、日本でのデジタル証券(セキュリティトークン)事業を展開していくと明言しています。

MUFGがデジタル証券プラットフォーム「Progmat」(プログマ)を開発

金融持株会社の「三菱UFJフィナンシャル・グループ」(MUFG)は、2019年11月にセキュリティトークンの実用化を目指した企業連合「ST研究コンソーシアム」の設立を発表しました。現在は決済までに1〜2日を要する証券決済や資金決済を、ブロックチェーンによって自動化(即時決済)するプラットフォーム「Progmat」(プログマ)を開発・提供します。

ST研究コンソーシアムには、第一線で活躍する国内のブロックチェーン企業「LayerX」や前述のSecuritizeなど10社が技術協力しており、今後は同プラットフォーム上で発行される証券が出てくるでしょう。

もちろん、実現にあたっては制度・技術の両面での課題があるため、実際に稼働するまでには時間がかかると見られています。しかし重要な点は、国内の大手金融機関がブロックチェーンベースのシステム実用化へ向けて、本格的に動いているという点だと言えるでしょう。

2020年以降、証券分野でブロックチェーン活用が進む

本記事でも紹介したように、2020年6月までに施行される改正法を見据えた動きが国内で活発になってきています。国外のセキュリティトークン関連企業の日本進出や、大手金融機関が主導するプロジェクト(プログマ)など、2019年後半は注目すべきニュースが相次いで発表されました。

本記事では取り上げなかったものの、野村グループが新会社を立ち上げてセキュリティトークン発行プラットフォームを開発していたり、大手証券会社6社が「日本STO協会」を立ち上げたりするなど、国内でブロックチェーンの活用が進むと強く予感させる動きもあります。

なお、これらの動きについては、別の記事でまとめていますので、こちらも併せてぜひご覧ください。

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