自民党のルール形成戦略議員連盟(甘利明会長)が7日、デジタル通貨の発行準備を促す提言を決めることが、日経新聞の報道により明らかとなった。近く安倍晋三首相に提言を手渡すという。

日本銀行は先月20日、主要中央銀行によるCBDCの発行に向け、共同研究を行うグループを設立したと発表。日本銀行のほか、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、計6つの中央銀行と国際決済銀行(BIS)が参加し、それぞれの国・地域において、中央銀行デジタル通貨の活用可能性の評価に関する知見を共有するためにグループを設立したとしていた。

報道によれば、今回甘利氏らが決定する提言には、マネーロンダリング(資金洗浄、マネロン)対策や個人情報保護での法整備の検討を盛り込んでおり、日銀ら主要中央銀行の共同研究に関して、米連邦準備理事会(FRB)との連携も求めるという。

甘利氏は、中国人民銀行が検討する「デジタル人民元」が中国の経済圏構想「一帯一路」の関係国に急速に普及する可能性を危惧している。国際取引に人民元建てが増えていった場合、米ドル建ての取引停止によって米国の経済制裁の力が低下し、「日本の安全保障に大きく影響しかねない」と指摘しているもよう。

提言では、『米ドルの基軸体制を維持するには円を含めた主要通貨のデジタル化が対策になる』として、『政府・日銀に「円のデジタル化を含め対応策を海外当局とも連携し、早急に検討・準備する」ことを強く要望する』と伝わっている。


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