大手仮想通貨取引所GeminiがDigital Currency Group(DCG)に対する公開書簡を発表し、DCGのCEOを務めるバリー・シルバート氏を解任するよう求めました。

DCGは子会社にレンディングなどの仮想通貨関連サービスを提供する「Genesis Global Capital(Genesis)」や投資信託会社「Grayscale」、仮想通貨メディア「CoinDesk(*DCGから完全独立で運営)」などを持つ米仮想通貨投資会社です。

昨年11月、FTXの経営破綻の影響を受け、Genesisはレンディングサービスの償還停止を実行。Genesisと提携して自社で運用サービスを提供していたGeminiでも現在償還が停止されている状況となっています。

Geminiは公開書簡の中で、Genesisとその親会社のDCG、同社CEOのバリー・シルバート氏などが、Geminiやそのユーザーに対してGenesisの支払い能力・財務の健全性について虚偽の内容の申し立てや不当表示を行ったと主張。

Three Arrows Capital(3AC)に対して23.6億ドルの資産を貸与しており、2022年6月に3ACが倒産した後、Genesisに12億ドルの損失が発生していたにも関わらず、シルバート氏やDCGらは適切な対処を取らず損失がカバーされたと信じ込ませる嘘のキャンペーンを行ったとしています。

Geminiは、当時GenesisのCEOを務めていたマイケル・モロ氏の「DCGは、長期的な事業運営と規模拡大のための資金を確保するため、この取引先に関するGenesisの一定の債務を引き受けました。」というツイートを挙げ、実際にはDCGはGenesisに対する資金救済は行っていなかったと述べています。

Geminiは、シルバート氏はDCGの指揮を取るのにふさわしく無いことを理由に、34万人のユーザーを代表して理事会が同氏を解任するよう要求し、新しいCEOを設置することを望むとしています。

DCGが公式サイトでGenesisについて説明

DCGは本日未明、シルバート氏の声明とQ&Aが記載された新たなページを公開しました。

Q&Aの中でGenesisに関して下記の内容を述べています。

  • DCGはGenesisに対して2023年5月に満期を迎える4.47億米ドルと4,550 BTCの債務が存在
  • 米ドルは自己資金として保有され、初期ベンチャー投資家からDCGの株式を買い戻し、流動性の高いトークンや公開株式への投資に利用
  • BTCはGBTCのロングポジションに対するヘッジに使用
  • 業界全体に悪影響が波及する恐れがあり、Genesisのこれまでの実績なども踏まえてGenesisを支援することが最善の利益になると判断し、DCGがGenesisの3ACの破産債権を引き継ぎを実施
  • アドバイザーや会計士の意見を取り入れて、DCGが3ACの債権を引き受け、Genesisへの約束手形(1.1B)と差し替える方法を採用
  • DCGは、Three Arrows Capitalの破綻後の期間に、Genesis社に対して約3億4千万ドルの新規出資を行い、追加資本を提供済

GeminiはこれまでGenesisやDCGに対して解決案を提出するなど歩み寄りと取れる言動(下記参照)を見せてきましたが、今回DCGグループを強く批判する文書を公開しています。

先日、950人の従業員の解雇を発表した米大手仮想通貨取引所コインベースのCEOのアームストロング氏は、今後について「業界での不祥事による影響がさらなる伝染を起こす可能性が未だ続いている」とFTXの経営破綻を示唆する内容を投稿。

史上最大規模となったFTXの経営破綻の余波は依然として続く可能性が高いことが推察されます。

記事ソース:資料DCGGemini

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