ビットコインが過去最高値を更新するなど仮想通貨相場が盛り上がりをみせるなか、ミームコインが急速に台頭しています。しかし、このミームコインブームに対して、業界関係者から批判の声が上がっています。

オンチェーンデータプラットフォームCryptoQuantの創業者兼CEOであるKi Young Ju氏は「ミームコインは仮想通貨業界に害を与える」と指摘。本格的なプロダクトを開発している勤勉なチームが時価総額10億ドル規模のミームコインの影に隠れてしまうとし、2018年のICO (Initial Coin Offering) ブーム時と同様に「安易な資金調達は業界の進歩には役立たない」と自身の主張を示しました。

Solanaベースのミームコイン「Book of Meme(BOME)」は発売から数日で2,000%以上の高騰を遂げ、一時は時価総額ランキング100位内にランクインするなど勢いを見せました。同通貨はBinanceやBybitへの上場も果たしています。また、ミームクリエイターの「Kero」氏が発行したトークン「SNAP」のプレセールでは、わずか1日で1,000万ドル以上のSolana (SOL) が調達されました。

BOMEやSNAPではプレセールの資金調達方式として、Xの投稿上にアドレスを添付し、送られてきたSOLの割合に応じてトークンを配布する手法が採用されていました。しかし、一部プロジェクトでは同様の方法で資金調達後にアカウント自体が削除されるなどのトラブルも発生しています。

Ki Young Ju氏は「ICOブーム時は、少なくともプロジェクトがプロダクトを作るふりをしていたが、ミームコインの場合はそれすらない。ICOよりも悪質である」と批判しました。

注目を集めているSolanaベースのミームコイン「SLERF」では、トークンのプレセールで約1,000万ドル相当の50,000 SOLを調達したものの、流動性提供時に誤ってトークンをバーンしてしまう事態が起きました。

プロジェクト側の発表

この件について、暗号資産取引所LBank.comは寄付アドレスの管理者となることを発表。また、HTX (旧Huobi)、Bitget、bingXはSLERFの取引収益を寄付するなど、Slerfコミュニティ支援を行うことを表明しており、ミームプロジェクトに対する異例の対応をとっています。

HTX

Bitget

BingX

ミームコインの価格変動は通常の通貨よりも激しい傾向にあり、安易な資金調達方法によるトラブルも発生しています。市場参加者は引き続き注意が必要となります。


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