2024年9月5日に行われたイーサリアムの開発者会議「All Core Developers Consensus (ACDC) call #141」では、次期アップグレード「Pectra」の仕様更新と、ブロックチェーンのデータ処理効率化を図る「PeerDAS」の実装に関する議論が中心となりました。

開発者たちは、Pectraの試験運用環境「Devnet 2」で発生していた不具合の修正が完了したことを報告し、より多くの開発者が参加する「Devnet 3」の立ち上げに向けて準備を進めていることを明らかにしました。Pectraの仕様に関する具体的な議論としては、ステーキングされたETHの量が多いバリデータへのペナルティ計算を修正するEIP 7251、他のプログラムがブロックデータにアクセスしやすくするBeaconブロック本体の効率化、バリデータがネットワークから抜ける際の手続きにかかる負荷を軽減する仕組みなど、多岐にわたる調整が行われました。

データ可用性サンプリングのPeerDASについては、開発者各自の環境での試験運用が進んでおり、近日中に複数種類のクライアントソフトで動作確認を行うテストネットワーク「PeerDAS Devnet 2」が、Pectraをベースとしてローンチされる予定です。

さらに「SSZ unions」というデータ構造に関する記述を削除する提案について議論がありました。これは、現状のプログラムでは使用されていない記述を削除することで、仕様書の内容と実際のプログラムの整合性を高めることが目的です。一部からは「Portal Network」と呼ばれる過去のデータを効率的に保存・取得するためのネットワークで「SSZ unions」を使用しているという指摘がありました。しかし、Portal Networkはイーサリアムの根幹となるプロトコルとは直接関係ないプロジェクトであることから、記述を削除することで合意されました。

今回の会議では、PectraとPeerDASの実装に向けた具体的な進捗が見られました。開発チームは、今後も定期的な会議や議論を通じて、イーサリアムのアップグレードに向けた取り組みを精力的に進めていく構えです。

記事ソース:Ethereum

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