暗号資産がAIの発展においてますます重要な役割を果たしていることが、VC大手Andreessen Horowitz(a16z)の「State of Crypto 2024」報告書で明らかになりました。

同報告書は、ブロックチェーン技術がAIの直面する課題、特に中央集権化、信頼の低下、知的財産(IP)問題の解決に寄与できると指摘しています。

AI開発の中央集権化とコスト上昇へ対処

報告書によれば、AIの開発コストは年々増加し、最先端モデルの訓練に必要なリソースが一部の大手テック企業に集中しています。この中央集権化により、小規模な開発者やスタートアップが革新を行う機会が限られています。しかし、ブロックチェーン技術を活用した分散型ネットワークによって、この構造を打破する動きが広がっています。

たとえば、Gensynのようなプロジェクトは、AIの計算資源を分散化することで、より多くの開発者がAIモデルの訓練に必要なコンピュータ資源を利用できるようにしています。これにより、従来の高コストのAI開発がより手の届くものとなりイノベーションの機会が広がると期待されてるとしています。

知的財産とコンテンツの検証

AI開発におけるもう一つの大きな課題は、知的財産(IP)の適切な管理です。AIの訓練データセットには、しばしばクレジットが与えられていないコンテンツが含まれており、これが問題視されています。ブロックチェーンの透明な台帳システムは、デジタルコンテンツの起源を追跡し所有権を検証することでこの問題に対処します。

たとえば、Storyのようなプロジェクトはブロックチェーン技術を活用してコンテンツの検証を行い、クリエイターに適切な報酬を提供するシステムを構築しています。

AIに対する信頼の回復

AI分野は発展しているものの、信頼度は低下

アメリカではここ数年でAIに対する信頼が急速に低下しており、2024年時点で信頼度は35%にまで落ち込んでいます(5年前は50%)。ブロックチェーンの透明性を活かすことでAIのプロセスをより公開し、信頼性を回復することが可能とされており、AIとブロックチェーンを組み合わせることでプロセス全体が監査可能となり、より信頼性の高いシステムが構築される可能性があります。

このように暗号資産技術を活かしたAI分野への応用が進んでおり、今後はID認証、予測市場、コンテンツ認証などの分野で新しい機能が解放されると期待されています。

情報ソース:a16z

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