記事の要点
▪️ カナダ人のAndean Medjedovic(22歳)がDeFiプロトコルを悪用し、約6500万ドル(現在約101億円)を不正取得したとして起訴
▪️ 2021年から2023年にかけてKyberSwapとIndexed Financeのスマートコントラクトを操作し、不正に資金を引き出した疑い
▪️ 現在逃亡中であり米当局はオランダ当局と協力して捜査を進行中
米司法省はカナダ国籍のAndean Medjedovic氏(22歳)が分散型金融 (DeFi) プロトコルの脆弱性を悪用し、約6500万ドルの仮想通貨を不正取得した疑いで起訴したことを発表しました。
Medjedovic氏は2021年から2023年にかけてKyberSwapとIndexed Financeのスマートコントラクトを操作し、不正に資金を引き出したとされています。
Indexed Financeへの攻撃
2021年10月、Medjedovic氏はEthereumネットワーク上のIndexed Financeの流動性プールを標的にし、不正に資金を取得しました。Indexed Financeの「インデックスプール」は、ETFのような仕組みを持つDeFiプロトコルで、ユーザーが提供したトークンを運用するものでした。
Medjedovic氏は数億ドル相当の仮想通貨を借り入れ、プールの「再インデックス化」プロセスを人為的に操作しました。その結果、投資家の資金約1650万ドルが盗まれたとされています。
KyberSwapへの攻撃
2023年11月、Medjedovic氏はKyberSwapの自動マーケットメーカー(AMM)の脆弱性を悪用し、流動性プールから約4880万ドル相当の仮想通貨を不正に取得しました。被害は6つのパブリックブロックチェーン上の77の流動性プールに及んでいるとされています。
攻撃後、Medjedovic氏はKyberSwapの開発者、投資家、DAOメンバーを脅迫し、KyberSwapの運営権とDAOの支配権を要求。また、盗んだ仮想通貨の50%を返還する代わりに、要求を受け入れるよう迫ったとされています。
さらに、ブリッジプロトコルや仮想通貨ミキサーを用いて資金を洗浄しようとしましたが、一部の取引が凍結されたため、覆面捜査官に約8万ドルを支払い50万ドル相当の仮想通貨の解放を依頼したと報じられています。
マネーロンダリングと逃亡
Medjedovic氏は2022年頃から別の人物と共謀し、違法に得た資金をマネーロンダリングしたとされています。偽の情報を使用して仮想通貨取引所のアカウントを開設し、ミキサーを活用して資金洗浄を行いました。また、仮想通貨を大規模に移動させる手順を記した「moneyMovementSystem」と呼ばれるマニュアルを保持していたことも明らかになっています。
さらに、他の文書には、KYC(本人確認)を回避し、偽のKYC情報を用いた取引所アカウントをハッキングや現金化に利用する計画が記されていたと報じられています。
Medjedovic氏は現在逃亡中であり、オランダの検察局およびサイバー犯罪捜査部と協力して捜索が進められています。米司法省によると、電信詐欺や恐喝未遂、不正損害、マネーロンダリングの合計5つの罪で起訴されています。
もし有罪となれば、不正損害に関する罪で最大10年、その他の罪でそれぞれ最大20年の懲役刑が科される可能性があるとしています。
記事ソース:米司法省
The post 100億円近くの仮想通貨盗難か|22歳のカナダ人起訴、現在逃亡中 appeared first on CRYPTO TIMES