経営破綻した暗号資産金融企業セルシウス(Celsius)の元CEOであるアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏が、同社の破産手続きに関連する全資産の権利を放棄することに合意しました。

裁判所に提出された書類によると、マシンスキー氏および同氏の関連事業体はセルシウスの破産計画に基づく将来のいかなる資産分配からも除外されます。放棄された資金は、被害を受けた顧客と債権者へ再分配されるべきだと明記されており、顧客救済を優先する姿勢が示されました。

この権利放棄の背景には、マシンスキー氏が直面している深刻な法的問題があります。同氏は2023年に詐欺などの容疑で逮捕。その後有罪を認め禁固12年の判決を受けました。検察は同氏がセルシウスの財務状況について投資家を欺き、自身は密かにネイティブトークンを売却して利益を得ていたと指摘しました。プラットフォームが崩壊寸前であるにもかかわらず、彼の言動がユーザーに誤った安心感を与えたとされています。

セルシウスは2022年6月市場の不安定化を背景に顧客資産の出金を突然停止し、約47億ドルもの資金を凍結しました。翌7月には連邦破産法第11条の適用を申請し、破産手続きが開始。現在までに約25.3億ドルが利用者に返還され債権者の約7割が何らかの形で返済を受けていますが、手続きは依然として続いています。

マシンスキー氏の失脚はFTXのサム・バンクマン=フリード氏やTerraのド・クォン氏といった他の著名な業界リーダーの凋落に続くものです。これらの事件は暗号資産に対する規制当局や社会の認識を大きく変えるきっかけとなりました。


情報ソース:The filing

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