米決済大手PayPalのCEOであるアレックス・クリス氏は、米国の消費者が既存の決済手段からステーブルコインに乗り換えるには報酬プログラムのような明確なインセンティブが必要だとの見解を示しました。
現在、米国の消費者向け決済はポイント還元などの特典が充実したクレジットカード網が主流です。クリス氏はこの状況を踏まえ「消費者の観点から言えば、(ステーブルコインへ移行する)本当のインセンティブがない。だからこそ我々は報酬のようなものを作り始めている」と述べました。
この戦略を具体化するためPayPalは4月にPYUSDの残高に対して年率3.7%の利回りを提供すると発表しました。しかし、ステーブルコイン市場はUSDCやUSDTが9割以上のシェアを占めておりPYUSDのシェアは約0.4%にとどまっているのが現状です。
もう一つの注力分野が国際送金です。世界銀行によると海外への送金手数料は依然として平均6%を超えており、ブロックチェーン技術でこのコストを大幅に削減できる可能性があります。
PayPalは6月中旬より迅速で低コストな送金を実現するため、PYUSDをステラ(Stellar)ブロックチェーンに導入する計画を発表しており国際送金がPYUSDの最初の本格的な応用例になると見ています。
一方、米議会ではステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の審議が進んでおり、これが既存の決済大手であるVisaやMastercardに競争圧力をもたらしています。実際に同法案が上院で可決された後、両社の株価は下落しました。
情報ソース:Bloomberg
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