Yell TOYAMA(エール富山)は富山県の経済活性化を目的としたエコシステムプロジェクトです。ブロックチェーンを用いた電子マネー型の通貨となっています。

なぜ富山なのか、どのような特徴や背景があるのか、将来性や懸念点はあるのかなどを解説していきます。

Yell TOYAMA(エール富山)の概要や特徴

富山の事業化・経営者によって発足

Yell TOYAMAの発起人は地元の事業者や経営者です。Yell TOYAMAのPRサイトによると、出資者・発起人は以下の通りです。

株式会社桝田酒造店

塩井保彦

株式会社釣屋魚問屋

前田薬品工業株式会社

株式会社新日本コンサルタント

浦田典子

株式会社ワプラス

この発起人はいずれも地元富山で事業を展開している企業や個人です。例えば、桝田酒造店は富山市東岩瀬町に酒造をかまえ、「満寿泉」ブランドの日本酒を展開しています。

また、個人で出資している塩井保彦氏は富山で起業アドバイザーをしている人物です。

地元富山にゆかりがあり、事業やビジネスの側面で富山を盛り上げたい企業や個人によってYell TOYAMAは立ち上がりました。

1YEL(エール)=1円の円ペッグ通貨

Yell TOYAMAが扱う通貨は、クレジットカードを利用して日本円で購入できます。

チャージした分だけ使える電子マネー型で、価格に変動はなく、1YEL=1円の円ペッグ通貨となっています。

応援経済を具体化する『YOSEGAKI(ヨセガキ)』サービス

通貨YELには、応援メッセージを添付できる『YOSEGAKI(ヨセガキ)』という機能があります。

消費者が応援したい事業者や商品があればYell TOYAMAを通じてYELを協賛金として送り、応援メッセージも添付して届けることができます。

YOSEGAKIを送るには300YEL〜10,000YELの支払いが必要となります。

送信されたYOSEGAKIはブロックチェーンに記録され、情報が記載された『認定証』が送られます。

想定されているYOSEGAKIの種類は以下の通りです。

●富山PR
富山の魅力や特色をさまざまなメディア・施設とタイアップして発信する活動への応援リクエスト

●販売強化
富山を代表する製品やサービスの営業や販促活動への応援リクエスト

●事業者支援
加盟店の事業・店舗運営を知識や情報提供などを通じて行う活動への応援リクエスト

●観光客誘致
富山へ訪問する国内外の旅行客誘致を促す活動への応援リクエスト

●消費拡大
地域応援通貨YELの利用場所や利用用途を拡大して消費の拡大を促す活動への応援リクエスト

●その他
上記以外の富山を盛り上げる活動全般への応援リクエスト

Yell TOYAMA(エール富山)の将来性や懸念点

加盟店2019年9月までに200事業者に拡大

Yell TOYAMAは加盟店制度をとっています。加盟店になることで、Webサイトでの訴求や仮想商店街への出店が可能になります。加盟対して年会費などは徴収しておらず、事業者にはコストをかけずに販路拡大できるメリットがあります。

Yell TOYAMAの加盟店の目標数は2019年3月までに80事業者、2019年9月までに200事業者となっています。

Yell TOYAMAの将来性をうらなう上で、目標通りに加盟店の数字が増えているかをウォッチしていくことがひとつの指標になりそうです。

カード決済よりも魅力をアピールできるか不透明

仮想通貨を用いた物販サービスにおいて、成功するかどうかの鍵は「コミュニティ」と「商品の魅力」と「通貨の利便性」にあります。

コミュニティが強ければ、それを原動力にコミュニティメンバーが商品の訴求や購買を促進してくれます。Yell TOYAMAは地元で有力な事業者や経営者が出資していることもありますので、コミュニティという面ではすでに地盤のある状態と言えそうです。

商品の魅力についてはあえて語るまでもないでしょうが、富山の文化や食のクオリティの高さは世界レベルなので、ここがYell TOYAMAの最大の長所です。

最後に通貨の利便性ですが、これが今後のネックとなって来そうです。現状でYell TOYAMAで買い物をするためには、クレジットカードを通して日本円でYELを購入(チャージ)する必要があります。果たしてこれが観光客にとって利便性が高いかと言われると、まだ明確なメリットを示せていないのではないでしょうか。

数少ない仮想通貨を用いた地域経済活性化プロジェクトとして、Yell TOYAMAがプロダクトのメリットをどうアピールしていくかに注目したいところです。

 

Yell TOYAMA:https://yell-toyama.jp/top

Yell TOYAMA公式PRサイト:https://yell-toyama.org/

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