国際送金大手のウエスタンユニオン(Western Union)は、ステーブルコインを利用した送金サービスの試験運用を南米とアフリカの一部地域で開始しました。
この動きの背景には、より速く安価な送金を提供するステーブルコイン基盤のサービスとの競争激化があります。2025年第1四半期時点でウエスタンユニオンのモバイルアプリ利用は前年比で22%減少しており、手数料が1%未満のプラットフォームに利用者が移行する傾向が見られます。同社は暗号資産を競争相手ではなく、為替変換や決済時間を改善するための手段と捉えています。
参入を後押ししたのは米国で2025年7月18日に成立したステーブルコイン規制法「GENIUS法」です。この法律は発行者に厳格な準備金を義務付ける一方で、銀行システムへのアクセスを許可するなど規制を明確化しました。これにより、これまで法的な不確実性から参入をためらっていた伝統的な金融機関の採用が加速しています。
マクグラナハンCEOは、ステーブルコインの活用法として現地パートナーとのリアルタイム決済、低流動性地域での為替レート改善、そして顧客向けの資産保管オプションの3点を挙げています。どのステーブルコインやブロックチェーンを使用するかは明らかにされていませんが、限定的な試験運用から始める慎重なアプローチを取っています。
ウエスタンユニオンのビジネスモデルは、米国外での利用が中心である点でテザー(USDT)と類似性があります。同社の収益の約65%は海外から生み出されており、現地の銀行サービスへのアクセスが困難な新興国市場のユーザーをターゲットにしています。
ウエスタンユニオンの試験運用の結果やウォレット開発に関する詳細は、2025年10月に予定されている次期決算発表で明らかにされる可能性があります。
情報ソース:Bloomberg
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