国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストであるケネス・ロゴフ(Kenneth Rogoff)氏が、暗号資産の台頭は米ドルの支配的な地位に対する脅威であるとの見解を示しました。
ロゴフ氏はハーバード大学の経済学教授で、過去には米連邦準備制度理事会(FRB)にも所属していました。同氏は米ドルの支配力は依然として最も強いものの、人民元やユーロの台頭によりその影響力は低下しつつあると分析しました。
同氏によれば、ドルの主要な市場の一つは政府が追跡しにくい地下経済です。この市場は世界経済の約20%を占めると推定されています。従来、この領域では米ドル紙幣が決済手段の主流でしたが現在では暗号資産がその役割を担いつつあると述べています。
ドルの支配力が失われると米国が基軸通貨国として享受してきた金利を低く抑えられるなどの「法外な特権」が損なわれる可能性があります。これは金利全般の上昇につながり経済に影響を及ぼす恐れがあります。また、金融取引の追跡が困難になり国家安全保障上のリスクも高まると懸念を示しました。
一方でロゴフ氏は暗号資産を無価値な詐欺と見なす意見は「完全に間違っている」と断言しました。「受け入れられた交換媒体」として機能すること自体に価値があり、特に政府の規制が及びにくい地下経済での利用がその価値を裏付けていると説明しています。ただし暗号資産が合法経済でドルに取って代わることはないとも付け加えました。
情報ソース:Bloomberg
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