日本IBMは27日、ブロックチェーン技術を活用し、医薬品などのサプライチェーンや医療データ交換のプラットフォーム構築に向け、関連する実証実験を本年中に実施することを目指すと発表した。同社は2018年10月より、医療・製薬業界における安全、効率的、かつ規模の拡大に対応できる情報交換の仕組みを構築するべく、製薬企業や医療団体など20の企業や団体と協議を行ってきたという。

医療・製薬業界においては、医療関連データ管理や医薬品のサプライチェーン、電子カルテや診断データなどの医療情報の管理などにブロックチェーンを活用する試みが注目されている。同社は、これらに対するブロックチェーンの活用によって、「信頼性の高いデータに対して素早く安全にアクセスすることができ、個々の患者の利便性の大幅な向上、偽造医薬品の低減、より効果的な研究開発の促進、新たなビジネスモデルの推進を可能とする」と述べている。

検討領域の例としては、「医薬品などのサプライチェーンへのブロックチェーン技術の適用」、「EHR/PHRなどの医療関連データ・プラットフォームへのブロックチェーン技術の適用」を挙げており、この実証実験には、アステラス製薬<4503>、協和発酵キリン<4151>、塩野義製薬<4507>、第一三共<4568>、武田薬品<4502>など大手製薬会社らが参加するようだ。

同社は、参加企業らとともに、医療・製薬業界におけるビジネス事例や動向、ブロックチェーン技術の適用に関する調査研究のほか、実証実験に向けたユースケースの検討、医療・製薬に関する新たなビジネス事例の情報共有、運営に関する協議などを行うとしており、今後の動向が注目される。


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