大手暗号資産取引所のBinance(バイナンス)は26日、バイナンスコイン($BNB)、Tether USDT ($USDT)、イーサリアムクラシック($ETC)のレンディングサービス(Binance Lending)を開始することを発表しました。

バイナンスのレンディングプロダクト (貸出期間: 14日)
銘柄 年利 ロットサイズ 貸出上限 募集量 ロット毎の利子(満期)
バイナンスコイン($BNB) 15% 10 BNB 500 BNB 200,000 BNB 0.057534 BNB
Tether USDT ($USDT) 10% 100 USDT 1,000,000 USDT 10,000,000 USDT 0.383561 USDT
イーサリアムクラシック($ETC) 7% 1 ETC 1,000 ETC 20,000 ETC 0.002685 ETC

今回発表されたプロダクトは、暗号資産をバイナンスに14日間貸し出すことで利子を得られるというものです。利率は上表の通りで固定されており、それぞれロットサイズ(1契約ごとの貸出枚数)が決められています。

また、銘柄ごとに貸付募集量や個人の貸出上限も設けられています。投資家全員が上限分を貸し出すとすると、募集枠はそれぞれ400人($BNB)、10人($USDT)、20人($ETC)で埋まる計算となります。

いずれの銘柄も28日に募集を開始し、翌日29日には締め切ることになっています。今回のラウンドでは、28日から貸出が開始され、9月11日に元本と利子が各利用者のアカウントに返済されます。

【考察】なぜイーサリアムクラシック($ETC)なのか?

*この項目はあくまで考察で、仮説や予想を多く含みます。

公式ホームページによると、Binance Lendingは今後も新たな銘柄を「需要に応じて」追加していくといいます。

バイナンスはレンディングサービス発表の数時間前に、ETC証拠金取引における貸出率を0.02%から0.04%に引き上げています。これには以下の2つの理由が考えられます。

  1. ETC証拠金市場には、貸出率を引き上げても注文が入り続けるようなイベントがある(あるいは起こる)
  2. バイナンスは、そういったイベントに備えて貸し出す分のETCを集めておきたい

イーサリアムクラシック関連のメジャーなニュースとしては、9月13日ごろ(第8,772,000ブロック)に予定されているハードフォークがあります。

8/20~8/23のETC/BTCチャート

ETCハードフォークの日程は6月末時点で発表されていたわけですから、その時点で、フォーク導入前後の動きを予想してロング/ショートを打っていた投資家が当然いるはずです。

バイナンスのETC/BTCチャートを見ると、8月23日あたりから価格の急激な上昇がみられます。

これは、20日夜の価格上昇をフォーク前ラリーの頂点とみた投資家のショートがロスカットされ、価格が踏み上げられていったのではないかと推測できます。

このようにトレーディングの観点から見ると、今後もプラットフォームのアップデートに伴って価格上昇を見込む投資家や、そういった価格上昇を一過性のものとみてショートを打つ投資家が出てくるものと思われます。

バイナンスは、こういった需要増加シナリオを予想してETC貸出率引き上げ、市場運営のためにレンディングを通してETCを集めようとしているのかもしれません。

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