金融庁は28日、金融行政のこれまでの実績と今後の方針についてまとめた資料「利用者を中心とした新時代の金融サービス~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(令和元事務年度)」を公開した。

同庁は新時代の金融サービスとして、「金融デジタライゼーション戦略の推進」、「多様なニーズに応じた金融サービスの向上」、「金融仲介機能の十分な発揮と金融システムの安定の確保」の3項目を掲げ、これと合わせて「世界共通の課題の解決への貢献と国際的な当局間のネットワーク・協力の強化」、「金融当局・金融行政運営の改革」の2項目を追加。計5項目の取り組みを推進するとした。

1項目目の「金融デジタライゼーション戦略の推進」では、「グローバルな課題への対応」という項目のなかで暗号資産(仮想通貨)について言及している。「サイバーセキュリティへの対応やブロックチェーン等最新技術の動向把握など」を行っていく方針を示し、その例として「分散型金融システムについてマルチステークホルダー型アプローチで議論するガバナンスフォーラム(仮称)の開催、暗号資産に関連した新たな構想の出現を踏まえた対応の検討等」を挙げた。

また、「多様なニーズに応じた金融サービスの向上」の項目のなかでは「暗号資産(仮想通貨)への対応」として、「資金決済法等改正法の円滑な実施に向け、モニタリング体制の構築や自主規制機能の早期確立」、「暗号資産を巡る新たな動きを踏まえたフォワードルッキングなモニタリングの実施及び海外当局等との連携を強化」を掲げている。

さらに、「世界共通の課題の解決への貢献と国際的な当局間のネットワーク・協力の強化」の項目でも仮想通貨について言及している。今年6月8日~9日に開催されたG20福岡で、日本は仮想通貨について「各国の関連当局の一覧や当局向けの監督手引書を取りまとめ」ることを提起したが、これに対する今後のフォローアップとして「関連した新たな構想の出現を踏まえた対応を検討」していくという。


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