中国は、コロナウイルス対策をはじめとしてさまざまなブロックチェーン技術の導入を進める中、ブロックチェーンを活用した金融プラットフォーム開発に向けて取り組みを始めているという。米コインテレグラフが3月9日付で報じたところによると、中国の中央銀行である中国人民銀行(PBoC)はこのプラットフォーム開発のために中国政府から470万ドルの資金を調達しているという。

このブロックチェーンプラットフォームは2018年8月、中国人民銀行が深セン市で明らかにされたもので、取引の促進と企業・政府当局間で利用する改ざん不可能な台帳の構築を目的としたものだ。同プラットフォームは中国人民銀行デジタル通貨研究所や中国の科学アカデミー、主要な大学、主要な地方銀行によって管理されている。

このプラットフォームでは、1月半ばまでに銀行38行とおよそ1,900近くの企業が124億ドルに及ぶ取引を行ったという。中華人民共和国の国営通信社である新華社によれば、同プラットフォームはトレードファイナンスで従来10日程度かかっていた処理を20分ちょうどに短縮したことが明らかにされている。これにより、コストもおよそ6%削減ができたという。

中国では、前述のコロナウイルス対策のブロックチェーンプロジェクトが進行している他、市内の駐車車両に駐車料を請求するシステムを立ち上げるなど、少なくとも20ものブロックチェーンアプリケーションが立ち上がっている。

日本では「ブロックチェーンは何に使えるのか?」「規制の中でどのように立ち回るのか?」が問われている一方、中国では実際にブロックチェーンを活用して医療記録や医療用品、救援活動を管理・追跡する方法を模索している。米国でも規制の未整備が国内有力プロジェクトの海外流出につながることが指摘されているなど、規制が重要性を増していく中でも中国のように拙速な対応が求められている節がある。引き続き、注視していきたい。

(記事提供元:HEDGE GUIDE)
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