米カリフォルニア州を拠点とするSilvergate(シルバーゲート)銀行は2020年第1四半期の決算報告を発表、預かり資産高が前期比35%増となり23億ドルに拡大した。外国為替取引(FX)の独立調査会社LeapRateが4月30日、伝えている。

銀行は「Silvergate Exchange Network(SEN)」と呼ばれる独自のプラットフォームにより、クライアント取引所や機関投資家間の米ドルのリアルタイム送金と即時利用を、24時間365日体制で可能にしている。第1四半期のビットコイン取引量の増加とSENの強力なネットワーク効果により、SENの取引量は前期比123%増となる174億ドルを計上し、31,405件のトランザクションを処理した。この取引件数は昨年通期の3倍に相当する。

報告書によると、2020年3月にビットコイン価格が37%暴落した時期に、Silvergateの暗号資産関連顧客の預金額の増加を観測したとしている。顧客規模は過去1年間で617件増加して850件に上り、200件以上の潜在顧客との契約を控えている。機関顧客も第1四半期に32件増加した。

多くの銀行が距離を置く中、Silvergateは2013年から暗号資産関連企業と積極的に取引してきた。850社のクライアントは、61社が仮想通貨取引所、541社が機関投資家、248社が他の暗号資産企業で構成される。主要な顧客にはCoinbase、Gemini、Krakenといった米取引所、そして日本のbitFlyer(米国支社)も含まれている。

これまでマネーロンダリングなどの懸念から、暗号資産企業が銀行サービスを確保することに苦労してきた背景がある。規制が整備され、より大規模な資金が流入するにつれ、従来の金融機関が市場に参入してきている。5月にはJPモルガンがCoinbaseとGeminiを顧客に抱えていることが明らかになった。JPモルガンより預かり資産が3兆ドル以上少ないSilvergateは、2019年集計のランキングで5,186銀行中420位に位置する。

(記事提供元:HEDGE GUIDE)
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