ステーブルコインUSDCを手がけるCircle社共同創設者兼CEOのジェレミー・アレール氏が、米国下院の公聴会に登壇し米ドルの今後やステーブルコイン法案に関する提言を行いました。

昨今、世界の外貨準備高を占めるドルの割合は過去6年間毎年平均して約1%減少するなか、アレール氏は「地政学な要因で第二次世界大戦後のドルを基盤とする世界金融システムに圧力がかかっている」と発言。米政府によって今後数年間適切な措置が講じられなければ米国に壊滅的な結果をもたらされる可能性があるとし、米ドルが重大な局面に立っていることをアピールしました。

上記状況の中、インターネット上の安全で確実なドルへの需要は高まっており、ステーブルコインやブロックチェーンネットワークは数十億人のユーザーと数十兆ドルの決済活動をサポートできる可能性があるとしています。

米国のステーブルコイン法案

今回の主題となる米ステーブルコイン法案に関してアレール氏は「デジタル資産市場を超えて米ドルの世界的な役割に大きな影響を与える」と発言。

EUや日本、香港でステーブルコインに関する新たな法律が制定され、ドル建てステーブルコインの新しいルールが確立されつつある状況において、米国は自国通貨が世界でどのように動くかを決めるグローバルルールの策定を主導すべきとしました。

現在提案されているステーブルコイン法案の課題として、アレール氏は準備金の問題を指摘。

現在の法案では、ステーブルコインを流動性のあるドル建て資産で1:1に裏打ちすることが要求されているものの、現金資産を連邦準備銀行で保有できず、その結果決済用ステーブルコインの発行者は破綻する可能性のある銀行やその他預金取扱期間に現金をすべて預けるしか手段が無くなっていると述べています。

上記課題の解決策として、同氏は決済用ステーブルコインの発行者に、連邦準備銀行の基本的な口座サービスにアクセスするための限定的な権利を与える方法を挙げています。

これまで10兆ドルを超える取引をUSDCを介して処理してきたCircle社を率いるアレール氏は、現在の米国やドルの状況について下記コメントを残しました。

“「1990年代には、米国とそれ以外の国との間に大きな技術力格差がありました。しかし、現在では、中国をはじめとする他の国々が、その差をなくすまではいかないまでも、かなり縮めてきています。

ドルは岐路に立たされています。そして通貨競争は、今やインターネット上の技術競争です。国会議員である皆さんには、この瞬間を考え、どのような価値観を法律に明記し、米国主導の技術革新の創造力を安全かつ意図的に解き放ちたいのか、問うていただきたいと思います。- 引用元:Circle社」”

先日、Circle社の最高法務責任者および企業担当責任者にCFTC(米商品先物取引委員会)第14代会長兼最高責任者等を務めた経験を持つヒース・ターバート氏が就任。同社は米国内における堅実な事業の運営に向けた動きを進めています。

記事ソース:Circle

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