ネット証券で国内首位のSBIホールディングス<8473>は25日、独自のブロックチェーン(分散型台帳)技術「Orb DLT」の研究開発を行うOrbと、通貨処理機や自動サービス機器などの開発を手がけるグローリーとともに、2018年10月より同社が発行する決済用コイン「Sコイン」の実証実験を開始することを発表した。プラットフォームには、ブロックチェーン技術を用いた「Sコインプラットフォーム」を活用するとみられている。

「Sコイン」は、スマートフォンを使用してチャージ・決済ができるコインである。同実験ではSBIグループ社員を対象とし、同社が入居する六本木一丁目泉ガーデンタワー内の飲食店等において、キャッシュレスで決済できる仕組みを追求するという。また、「Sコインプラットフォーム」は、Orbが提供するブロックチェーン技術「Orb DLT」を活用したデジタル通貨等の発行プラットフォームだ。前払い式の電子マネーなど、用途に応じて独自のデジタル通貨を設計し、発行することができるという。

今回の実験では、Sコインプラットフォーム上に、クレジットカードによるチャージ手段に加え、グローリーの自動機を設置し、「Sコイン」をスマートフォン上のウォレットに現金でチャージする仕組みを構築。これにより、現金と各種電子通貨の交換を検証し、その後グローリーの製品で決済できるようにするなど、電子通貨決済の検討を推進していくようだ。

Orbは、独自地域通貨、独自コミュニティ通貨、独自仮想通貨のためのソリューション技術を提供しており、今年4月には、みずほフィナンシャルグループ<8411>のユーシーカードとブロックチェーン技術を用いた地域通貨「UC台場コイン(仮称)」の実証実験を開始している。


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