大手資産運用会社フィデリティのグローバルマクロ担当ディレクター、ユリエン・ティマー氏が、将来的にビットコイン(BTC)が金から市場の主役の座を引き継ぐ可能性があるとの見解を示しました。
ティマー氏は、両資産のリスク調整後リターンを示すシャープレシオを根拠に、近い将来、金がその「バトン」をデジタル資産であるビットコインに渡すかもしれないと考えているようです。
ただし、現状のパフォーマンスを見ると、金がビットコインを大きくリードしています。ティマー氏が指摘する現在のシャープレシオは、ビットコインが-0.40であるのに対し、金は1.33となっています。シャープレシオがマイナスであることは、ビットコインのリターンがリスクフリーレート(国債などの無リスク資産から得られるリターン)をも下回っていることを意味します。一方で、金のシャープレシオは高く、投資家をより低いリスクに晒しながらも、ビットコインを大幅に上回るリターンを上げてきたことを示しています。
2025年に入ってから現在(5月4日)まで、ビットコインの価格は金に対して17%下落しています。金は、関税に関連する貿易摩擦などが引き起こす経済的な混乱の中で、安全資産としての需要から恩恵を受けている側面があります。一方で、ビットコイン価格も回復の兆しを見せており、これは2月下旬以来の高値水準となります。
このような状況を踏まえつつも、ティマー氏は投資家に対し、金とビットコインの両方をポートフォリオに組み入れることを推奨。具体的な比率として、金とビットコインを「4:1」で保有することを提案しています。ティマー氏は両者を「同じチームの異なるプレイヤー」と表現し、それぞれの役割を認めています。
ティマー氏の見解は、現在の市場環境では金が優位であるとしつつも、ビットコインの将来的なポテンシャルに期待を寄せ、両資産を組み合わせることの重要性を示唆するものと言えます。
The post 金からビットコインへ主役交代? フィデリティ幹部「バトンタッチ近し」と分析|推奨運用比率は4:1 appeared first on CRYPTO TIMES