医療分野でのITソリューションを提供するエムネスと、ブロックチェーンソリューションを提供するエシカはパートナーシップを結び、ブロックチェーン技術を医療分野で応用し、インバウンド医療及び検診遠隔診断支援クラウドサービス及びクラウド電子カルテを提供するサービスの開発を開始したと発表した。
インバウンド医療の需要を喚起
エムネスとエシカがブロックチェーン技術を利用した医療サービスを開発する背景に、医療のインバウンド需要がある。
近年、訪日外国人の目的は「観光」だけでなく「医療」にも拡大している。「美容・健康促進」のカテゴリーでは、これまでも訪日外国人からの需要は高かったが、現在では「検診」「治療」にもインバウンド医療の市場は拡大しつつある。
日本の医療市場に「爆買い」ならぬ「爆検診」をもたらしている現状に応えるサービスの開発を急ぐ。
遠隔診断で医療リソースの課題を解決
インバウンド医療は需要が急増している一方で、越境医療の課題は山積みとなっている。
越境支払いシステム、越境でのカルテ管理システム、身分証明書、個人医療データの保管など、仕組みが整備されていないのが現状だ。
さらにそもそもの課題として、外国人を診察できる医師のリソースが不足している。需要と供給のバランスを取るためには医療リソースを無駄なく活用することが前提条件となる。
これらの課題に対して、エムネスとエシカは遠隔画像診断システムとブロックチェーン技術を融合させたソリューションの開発を目指す。
遠隔画像診断システムを整備し、海外の患者と日本の医師とをスムーズにマッチングさせて検診をすることで、医療リソースを効率よく活用できる。
そして患者のデータはブロックチェーンで保管されるために改ざん不能で高いセキュリティが担保される事になる。
政府が推進するソサエティ5.0
遠隔医療の取り組みは日本政府が推進している「ソサエティ5.0」の目標にも一役買っている。
ソサエティ5.0とは、日本の未来社会のコンセプトを表すキャッチフレーズとして登場した言葉だ。サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることによって、経済発展と社会課題の解決を図る。
課題解決という側面が強いため、ソサエティ5.0はSDGsとも合わせて語られる今熱い分野となっている。
リモートでの医療はまさにサイバーとフィジカルを高度に融合させたシステムであるため、時流に乗った提携と言える。
ちなみに、ソサエティ1.0〜4.0はそれぞれ狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会と定義されている。
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