富田隆弥の【CHART CLUB】 「世界中が新春高」

◆発会から大幅続伸し、2018新年相場に期待を抱かせるスタートになった。日経平均株価は発会に741円高、5日に208円高と2日間で950円も上げ、高値を2万3730円まで伸ばした。1992年1月以来26年ぶりの水準となり、次は1991年当時の2万5000円~2万7000円を目指すことになるが、日足が三角保ち合いを大きく上放れたこから、2万5000円を意識するのに時間をそれほど要さない可能性も出てきた。

◆ただ、新春に大きく上げたのは日本株だけではない。NYダウ平均、ナスダック、英FT指数、独DAX、上海指数など世界中の株式が、金や原油などコモディティ(商品市況)、さらにビットコインやリップルなど仮想通貨も大きく上げている。つまり、新年のマーケットは軒並み大幅高でスタートしており、日経平均の上昇も日本の事情より世界のマネーの事情によるところが大きいと言える。

◆マネーの事情というのは言うまでもなく「カネ余り」であり、運用先を求めて「株」だけでなくあらゆるマーケットに資金が流れ込んでいること。新年のニューマネーが年明けとともに一気に動きだしたと思われる。

◆「買うから上がる、上がるから買う」という、まさに需給相場。上昇によるマネーの好循環はさらなる上昇につながる可能性はあるだろう。ただし、マネーの逆回転が始まるとマーケットは一斉に下げに転ずるリスクもある。つまり、日本ウンヌンではなく、世界のマネーの流れがポイントになること、そして最高値を更新するNYダウが引き続きカギを握ることを承知しておきたい。

◆マーケットは華々しい上昇で始まった。強い流れが続くうちはその流れに従うが、あまりの堅調ぶりは出きすぎで、「人気片寄れば…」の格言を思い出させる。NYダウの日足が調整に転ずるなら世界のマーケットも調整に転ずるだろう。ここまで大きく上げているだけに、調整であってもヒヤッとする可能性がある。1月は調整しやすい月でもあり、NYダウから目が離せない。

(1月5日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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