その開発発表以来、世界中の政治家や規制当局から抵抗を受けてきたリブラですが、現在、スイスの金融市場規制当局(FINMA)から、決済システムのライセンスを取得することを計画しているようです。
リブラ協会とその27社のパートナーによって公式声明で明かされました。また、既に両者の協議は開始されているようです。
スイス金融当局はリブラに寛容的
「FINMAとは建設的な対話をしようとしており、オープンソース・ブロックチェーンネットワークが法規制され、摩擦が少なく、高セキュリティな決済システムになるための実現可能な道を配慮するようにすすめられています。」
と、リブラ協会は述べています。
FINMAは先月、国内で営業している暗号会社であるSEBA Crypto AGとSygnum AGの2社に銀行ライセンスを発行しました。これにより、これらの2社は、スイスで銀行ライセンスを取得した初めての暗号会社になりました。
(出典 https://twitter.com/WeAreSEBA/status/1166333527908069376 )
スイスはブロックチェーン企業にとって最も有効的な国のひとつとして知られていますが、規制当局は常に怪しい暗号プロジェクトと戦っている事実があります。
スイスは世界規準に適合する信頼される金融サービス刷新への道を提供
このFINMAが公開している、ブロックチェーン決済に関する規制の枠組みの適用に関するガイドラインは、FATF(金融活動作業部会)が示しているガイドラインよりも厳しすぎるくらいです。
しかし当局は、マネーロンダリングをチェックする既存のルールは、バーチャル資産サービス・プロバイダー(VASPs)にも当てはめられるべきと明確にしました。
ブロックチェーン特有の匿名性が悪用リスクを高めるため、スイスは常に、ブロックチェーン・サービス・プロバイダーに反マネーロンダリング法を適用している、とFINMAは述べています。
Facebookは、そんなFINMAが証明するライセンスを求めているようですね。
振り返れば7月には、Facebook CEOマーカス氏は米国議員の質問攻めに合い、リブラ設計にあたる重要な質問をされても明確に答えることができませんでした。
また最近、米国財務省からは、リブラはマネーロンダリングやテロ資金調達になる可能性を回避するため、最高の規制規準に準拠しなければならない、と述べました。
上院議員らの懸念に答えて、Facebookは最近、リブラを米ドル、ユーロ、円、イギリスポンドやシンガポールドルなどの主要な法定通貨に結びつけることを計画していると明かしました。
しかしFacebookは、リブラの運用基準を決定する采配があるのはFacebookではなく、リブラ協会になるだろうことも明言しています。
Facebookの猛烈なロビイスト活動
議員からの抵抗に直面しているFacebookは、7月の公聴会以来の過去2か月の間に、さらに4人のロビイストを雇ったことも明かしています。
最近追加した二人は、William Holllier氏とMichael Williams氏で、Facebookに有利となる議員を獲得しようとしている、とBloombergが報じたばかりです。
2020年中頃までにリブラを開始させたいFacebookのなりふりかまわぬロビイスト活動が伺えます。
スイスでの銀行ライセンスが取得できれば、米議員からの抵抗に対して突破口になるのでしょうか。今後の展開も見逃せません。
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