Twitterはそのプラットフォームをブロックチェーンに移行させたいようです。
オープンで分散型のソーシャルネットワークの標準化技術を開発する研究チームBlueskyを編成している、とTwitterとSquareのCEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は発表しました。
今回のチーム編成への投資の目的は、Twitterを最初のクライアントとして、ソーシャルメディアの投稿方法とコンテンツ管理について改善する為のプラットフォームを開発していくことのようです。
新しくもたらされるスタンダードによって、異なるソーシャルメディアのプラットフォームでのコミュニケーションを可能にし、ヘイトスピーチや他人の中傷に関するルールを強化しやすくなる模様です。
(出典 https://twitter.com/jack)
プラットフォームの違いを意識せずに使えるネットワーク
このチームで研究していくのは、ソーシャルメディアをメールのように(それ以上に)すること。ユーザーが、異なるネットワークをもつソーシャルメディアに参加しやすいようにし、どのメディアを使っていても、その違いを意識せずに通信し合えること、としています。
技術的スタンダードが共有されれば、これらのネットワークがコンテンツを勧めてくる方法をユーザーが制御しやすくなるといいます。
それによって、ユーザーが悪意ある商材へ誘導される傾向を減らすことが出来るようになります。
また、ネットワークの悪用に対して制限を適用しやすくなり、ネットワーク同士がその負荷やコストを共有できるようになると述べています。
実は、分散型フレームワークで動作するソーシャルメディアプラットフォームはすでに存在します。最も人気があるのは、よくTwitterの代わりで使われることがあるMastodonが有名です。
また、World Wide Webの提唱者であるティム・バーナーズリー(Tim Berners-Lee)は現在のネットワークのあり方を憂い、分散型でオープンソースのソーシャルネットワークプロジェクトをこれまでもいくつも推奨して立ち上げています。
しかし、牽引力を得るのに苦労してきたそういったプロジェクトとは違って、Twitterにはすでに3億人以上のユーザー基盤があります。それが、標準づくりを推し進めようという牽引力をドーシーに与え、他のソーシャルネットワークのサポートを得ようという説得力にもなります。
しかし20億人のユーザーを誇り、業界を支配しているFacebookは、そう簡単にはTwitterらのイニシアチブには賛同する様子がありません。
Blueskyチーム
このチーム編成は、オープンソースアーキテクト、エンジニア、デザイナーなど5人のチームとなっており、同じ標準作成を担当しています。
その目的は、いつかTwitterがネットワークのクライアントになることだといいますが、標準を作るまでには数年かかるだろうと、ドーシーは述べました。
「ソーシャルメディアとしてこのチームには、前進に役立つ既存の分散型技術のスタンダードをみつけるか、初めから作るのか、どちらかを考えています。それが、Tiwtter,Inc.にいる我々が提供できる唯一の方向です。」と話しています。
このスタンダードがあれば、Twitterは健全な会話を促進するオープンな推奨アルゴリズム構築に集中できるようになる、とドーシーは付け加えています。
推奨アルゴリズムに焦点を当てることで、ヘイトスピーチを抑えきれなったことなど、Twitterが直面しているコンテンツ調整の難しい問題からいくらか逸らすことが出来る、とSyracuse大学のソーシャルメディア教授であるJeniffer Grygiel(ジェニファー・グリギエル)氏は語りました。
オープンソースフレームワークでは、Twitterは、コンテンツそのものを保持管理するのではなく、Googleサーチのようなプラットフォーム上でコンテンツを表示する方法を取扱います。
現在、TwitterのCTOであるパラグ・アグラワル(Parag Agrawal)はイニシアチブをリードする人を探しています。
Blueskyチームは、Steem(EOSの前身)などの既存の分散型ソーシャルメディア標準で作業するか、初めから作成する予定です。
Blueskyチームは、ビットコインやイーサリアムのような暗号通貨を駆動するのと同じ技術のブロックチェーンコンポーネントをみつけるか、あるいは、プロジェクトに組みこんだりする可能性があるようです。
未来のネットワークの形を模索
今年3月には、ドーシーはSquare CryptoというBlueskyに似たプロジェクトを立ち上げました。Square Cryptoはもうひとつの5人チームで、Twitterの内部でビットコインエコシステムの改善にフルタイムで取り組んでいます。
ドーシーは分散化が未来の道であるということに賭けているようです。その名の通り青空となるかどうかは、まだまだ長い道のりのようです。
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