日本銀行が2023年4月から中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット実験を開始すると発表しました。

日本銀行理事の内田眞一氏によると、連絡協議会ではこれまでCBDCの概念実証の内容や進捗状況等について幅広い観点で話し合いを重ねてきており、議論の末にフェーズを1段階進めたパイロット実験の開始を決定したとしています。

パイロット実験では、これまでの検証で確認できなかった技術的な実現可能性の検証や民間事業者の技術や知見をCBDCの設計へ活かすことを目的としているとしています。

具体的には、中央システムから仲介機関ネットワーク/システム、エンドポイントデバイスまでが一体となった実験用システムを構築し、処理フローの確認や課題、必要な対策等の明確化。CBDCシステムのあり方やユーザーとの接点における必要となる課題や技術や機能などについて、民間事業者と共に検討を行うために「CBDCフォーラム」を設置し、リテール決済や関連技術に携わっている民間業者から参加者を募集するなどの取り組みを行っていくとしています。

日本銀行理事の内田眞一氏は声明の中で下記コメント残しました。

“「段階的な枠組みによる検討と透明性の高い民間部門との対話は、将来CBDCを発行する場合、それが社会において受け入れられるために必要なプロセスです。

決済手段は、誰かがうまい仕組みを設計して、リリースすれば普及するというものではありません。CBDCが広く使われるためには、ユーザーまでの各ステークホルダーにおいて、様々な仕組みの変更と準備が必要です。(一部省略) – 引用元:資料」”

日本銀行は一昨年2021年4月にCBDCの実証実験を開始し、翌年の2022年にはその第二段階としてCBDCの周辺機能の検証を実施してきました。

内田氏はこれまでも「決済の未来を考えることは、民間との共同作業である」などと発言してきており、通貨の発行主体である中央銀行が可能な限りプレーンな公共財を提供する必要があると述べてきました。

Atlantic Councilのデータによると、現在世界でCBDCのパイロット実験のフェーズに入っている国は、ロシア、中国、インド、サウジアラビア、オーストラリア、南アフリカなど17カ国。

CBDCのパイロット実験段階に入っている国 | 画像引用元:https://www.atlanticcouncil.org/cbdctracker/

日本の金融インフラ取り組みにおいて重要なマイルストーンとなるパイロット実験を開始予定と発表した日本銀行の今後の動向に注目です。

記事ソース:資料

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