米国選挙で、暗号資産支持の政治活動委員会(PAC)が支持する候補者が大多数当選し、ワシントンでの影響力が強まる見通しです。ブルームバーグの報道によると、11月8日時点で暗号資産支持のPACが支援する候補48名が当選を果たしました。
1億3500万ドルの資金が50人以上の候補者に投じられ、民主党・共和党を問わず支援が行われましたが、全体の60%以上の資金は共和党候補の支援や民主党対立候補の排除に向けられました。
暗号資産業界最大のPAC「フェアシェイク(Fairshake)」が中心となっており、規制上の利益を直接強調することなく、戦略的に重要な選挙を支援しました。
フェアシェイクの大きな影響力
フェアシェイクは、関連PACである「プロテクト・プログレス(Protect Progress)」や「ディフェンド・アメリカン・ジョブズ(Defend American Jobs)」と共に、コインベースやリップル・ラボ、a16zなどの資金提供を受け、従来の政治勢力に匹敵する一大勢力となっています。
オハイオ州では、共和党のバーニー・モレノ(Bernie Moreno)候補への支援が大きな影響を与え、暗号資産批判派の現職民主党上院議員シェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)氏に挑戦しました。選挙前には劣勢だったモレノ氏が50.2%の票を得て勝利したことから、PACの広告が経済問題に焦点を当て、モレノ氏のブロックチェーン経験には触れない戦略が功を奏したと見られています。
カリフォルニア州では、フェアシェイクが1000万ドルを投じ、暗号資産に批判的な上院候補ケイティ・ポーター(Katie Porter)氏の選挙戦を標的にしました。結果、ポーター氏は予備選で敗退しました。
暗号資産業界の積極的な政治投資は即効性のある成果をもたらした一方で、今後も影響力の増大が予想されます。しかし、ジョージ・ワシントン大学の公共政策教授ピーター・ローグ(Peter Loge,)氏は「選挙運動、選挙サイクルごとにそこにいる必要がある」と述べ、継続的な関与が重要だと指摘しています。
情報ソース:Bloomberg
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