ステーブルコインUSDTを発行するテザー社は、AIを活用した新たな取り組み「Tether Data」の最新情報を発表しました。

同社は独自のAI SDKプラットフォームをリリース予定。また、現在開発中のアプリではAI翻訳、AI音声アシスタント、ビットコインウォレットAIアシスタントなどの機能が搭載されるといいます。

アプリはデバイス上でローカルに動作し、プライバシー保護とデータ・資産の自己管理を重視した設計が採用。また、AIモデルのトレーニングプラットフォームをクラウド上で利用できるPaaS(Platform as a Service)も開発していることを同社は明らかにしています。

テザー社は、上記以外にも様々な取り組みを進めています。

2025年1月末、同社はUSDTをBitcoinのLightning Networkに対応すると発表しました。

これについてエコノミストのアレックス・クルーガー氏は、Lightning Networkの普及状況を考慮するとこの取り組みはマーケティング的な意味合いが強く、実際にはあまり使われないだろうとの見解を示しています。

新たなトークン形態「USDT0」も発表

テザー社は先月、Ethereum上のUSDTに対して1:1の裏付けを持つ新トークン「USDT0」を発表しました。このトークンはLayerZeroのOFT(Omnichain Fungible Token)標準を採用し、異なるネットワーク間でのシームレスな資産移動を可能にすることを目的としています。現在、Krakenが手掛けるレイヤー2「Ink」とArbitrumに対応しており、今後BerachainやMegaETHにも対応予定とされています。

テザー社の2024年第4四半期決算によると、四半期利益は約60億ドル、年間利益は137億ドルに達しました。また、総資産は1,130億ドルに及ぶと報告されています。今後の事業展開として、AIプラットフォーム・アプリ、通信事業、新たな金融ツール・サービス、教育関連の取り組みを進める方針を示しています。

欧州では、MiCA(Markets in Crypto-Assets)規制の施行に伴い、CoinbaseがUSDTの取り扱いを停止しました。これにより、USDTの市場シェアは徐々に縮小しつつあり、USDCがその差を縮めています。しかし、依然としてUSDTは市場最大のステーブルコインとしての地位を維持しています。

画像引用元:fortunafi.beehiiv.com

テザー社は、先日、本社をエルサルバドルへ移転することを発表しました。同社の創設者および経営陣もエルサルバドルへの移住を計画しているとされています。

トランプ氏率いる米新政権は米ドルの強化を目的にステーブルコインの普及に取り組み姿勢を示しています。そのような状況のなか、引き続きテザー社やステーブルコイン市場の動向に注目が集まります。

記事ソース:TetherFortunafiUnchained

The post ステーブルコイン大手テザー社、AI事業を推進 appeared first on CRYPTO TIMES