企業の財務戦略として暗号資産を組み込む動きがビットコインだけでなく主要なアルトコインにも徐々に広がりを見せています。

Solanaブロックチェーンエコシステムのインフラ提供に特化したカナダの上場企業「SOL Strategies Inc.」が米国ナスダック株式市場への上場を目指し、米国証券取引委員会(SEC)にForm 40-F登録届出書を提出したことを発表しました。

SOL Strategies社は高速・低コストなトランザクションで知られるSolanaブロックチェーンに焦点を当て、分散型アプリケーション(dApps)の次世代を支えるための戦略的投資とインフラソリューションの提供を専門としています。

今回のナスダックへの上場申請は同社の成長戦略における極めて重要なマイルストーンとなります。カナダ証券取引所(CSE)に加えて、ナスダックに上場することでより多くの米国投資家からの資金調達が可能となり、企業としての信頼性と認知度を飛躍的に高めることを狙っています。これにより、Solanaエコシステム内でのインフラ開発や投資活動をさらに加速させることが可能になります。

上場を実現するため同社はナスダックが定める最低株価要件などをクリアする必要があり、その一環として株式併合を株主総会で付議することも明らかにしています。すべての要件を満たし、SECおよびナスダックから承認が得られれば、同社の株式はティッカーシンボル「STKE」として取引が開始される見込みです。

今回の動きは同社が描く成長戦略の文脈の中に位置づけられます。SOL Strategies社は今回の申請に先立ちカナダの規制当局に対して将来的な有価証券の発行に関する予備的な資料を提出済みです。これは今後2年間で最大10億ドルの資金を市場の状況に応じて機動的に調達できる体制を整えるための布石です。

同社のCEOであるLeah Wald氏はこの一連の動きについて「急速に進化するSolanaエコシステムにおいて将来的に機会が生じた際に資金に柔軟にアクセスできるようにし、魅力的な投資機会が訪れた際に当社が果断に行動する能力を高めるもの」と説明。同社はナスダック上場によって企業の価値と信用を高め、同時に大規模な資金調達枠を確保することで$SOLトークンそのものやエコシステム内の有望なプロジェクトに対して大規模な投資を実行する体制を整えている可能性も推測できます。

ビットコインを財務戦略に組み込み、BTCの購入と保有を続けるメタプラネット社の株価が大きく上昇を続けている点などから今後企業がMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)やゼロクーポン社債を用いて仮想通貨への投資と保有を行う動きが拡大する可能性が一部で指摘されています。

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ベンチャーファンドDragonflyのHaseeb氏は、前回の市場サイクルでは新規仮想通貨に大きな注目が集まったものの今回のサイクルでは仮想通貨を株式市場に持ち込み財務戦略に組み込む動きが一つの主要テーマとなる可能性を指摘しています。

本業での収益化が十分でない企業がストラテジー(旧マイクロストラテジー)社のような戦略を採用することは大きくレバレッジをかける行為であり、その盛り上がりは短期的なものとなる可能性も十分にあります。

投資家は新たな注目サイクルに注意を向けつつも、冷静な判断が求められます。


記事ソース:SOL Strategies

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