英ケンブリッジ大学の教授ロス・アンデルセン氏と、その研究チームはビットコイン(BTC)など仮想通貨の取引履歴の追跡を可能にし得るアルゴリズム「タイントチェーン(Taintchain)」を開発したと発表した。
タイントチェーンは、ブロックやトランザクションなどのデータを抽出し、ブロックチェーンの解析プログラムを利用して仮想通貨の取引履歴を追跡する仕組みとなっている。1816年にイギリスの法律において確立された「FIFO(First in First Out、先に入れたものを先に処理して出す)」という考え方を基に作成されたという。この仕組みを利用すれば、仮想通貨の取引履歴の追跡が可能になるほか、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪行為のパターンさえも導き出すことが可能になるようだ。
同研究チームは発表に際して、「FIFOは仮想通貨資産を追跡するための合法的な方法ではないが、確定的かつ損失はないため効果的であり、効率的な導入につながる」と述べている。
仮想通貨は、匿名性の高さを特徴とするダッシュ(DASH)などの通貨でなくても、これまでは取引所や国を何度も跨いだ取引の追跡や対応が困難であり、ハッキング事件などの際に実質的な対応を取ることが難しかった。今回発表されたようなアルゴリズムが市場に導入されればこうした課題が解決する可能性が高まり、今後の動向が期待される。
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