ブロックチェーン調査企業「Blockchain Transparency Institute」がウォッシュトレーディングに関するレポートを公表。仮想通貨時価総額の上位10通貨において、最もウォッシュトレードの割合が少なかった通貨はBNBで、それに次いでXRPとなった。

ウォッシュトレードとは、仮装売買のことを意味し、売買の意思がないにも関わらず取引を行うことで、売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的としている。これは、株式などの投資取引においては日本の金商法に違反する違法行為だ。

上位10通貨において、ウォッシュトレードの割合は以下の通りとなっている。(降順)

通貨名—価格操縦の割合
バイナンスコイン (BNB)—39.34%
リップル (XRP)—56.79%
ビットコインキャッシュ (BCH)—57.31%
カルダノ (ADA)—63.21%
ステラ (XLM)—64.85%
ビットコイン (BTC)—65.21%
テザー (USDT)—67.58%
イーサリアム(ETH)—73.08%
イオス(EOS)—75.91%
ライトコイン (LTC)—76.72%

上位から順に、39.34%でBNB、56.79%でXRP、次に57.31%でBCHと続く。

BCHに関しては、@IamNomad氏によるツイッター上の投稿で、先月のBCH取引の半数以上が一つのアドレスで取引が行われていたことが指摘されている。

このアカウントが開設された4月8日以来、これを通じて587,000以上のトランザクションが確認されている。取引量の水増しを狙ったものであると考えられている。

ウォッシュトレードは株式市場でも起きうるが、仮想通貨市場に比べ規制が行き届き、罰則も設けられている。一方で上述した通貨のウォッシュトレードの割合を確認すると、バイナンスコイン(BNB)を除く9通貨において、その割合が50%を超えるなど、仮想通貨市場の未成熟さを如実に示す格好となった。改めて迅速な法整備の拡充が求められることが伺える事例となった。

BTC取引高の95%がフェイクの可能性も
米暗号資産運用会社のBitwise Asset Mnagementが自社のビットコインETF申請プロセスの一環として米SECに提出した200ページ以上のレポート「本当のビットコイン市場」の中においても、一般的に報告されている現物ビットコイン取引高の95%が「フェイク」であることが言及されている。

市場操作はSECのビットコインETF承認を遠ざける主な要因となっており、この課題を解決することが仮想通貨市場の発展の糸口となることが考えられる。

(記事提供:コインポスト)
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