米テキサス州に拠点を置くテクノロジー企業Lancium社が、再生可能エネルギーで稼働するビットコインマイニング施設をテキサス州全域に建設する費用として、1億5000万ドル(約172億円)を調達しました。

Lancium社によると、今回の資金調達にはクリーンエネルギー企業のHanwha Solutions社を中心に複数の電力会社が参加しました。

Lancium社は今後1年間で”クリーンキャンパス”と呼ばれる複数の拠点で、2,000メガワット以上の電力供給を開始する予定としています。*ダラスのダウンタウンでは200メガワット分の電力を使用

Lancium社CEOのマイケル・マクナマラ氏は下記のように述べています。

“「すべてのエネルギー企業が投資しているということは、ビットコイン・マイニングがグリッド(送電系統)で果たすべき役割について、共通のビジョンを持っていることを示唆していると思います。- 引用元:CNBC」”

テキサスは「American Wind Belt」と呼ばれる、アメリカ国内でも風速が高いエリアに属しており、加えて太陽の陽もよく当たるため、テキサス州の風力・太陽光発電の割合は全体の26%を占めています。

画像引用元:zdnet.com

Lancium社は特許技術によって、マイニングをダイヤルのように数秒で段階的に上下できる技術を取り入れる予定としており、自然エネルギーで生産された電力が余った場合はその電力をマイニングへ、反対に電力が足りない場合はマイニングを停止させることが可能となります。

さらに、Lancium社はテキサス州電力信頼性協議会(ERCOT)との取り決めにより、「SmartResponse」と呼ばれるソフトウェアを利用しサーバーの電力消費を調整し、電力不足や電力余剰の仕様に対応予定としています。

ビットコインマイニングエンジニアのブランドン・アルヴァナギ氏は「ビットコインの魅力は、他の産業では真似できないところです。非常に相乗効果があります」とコメントを残しました。

 

マイニングの次なる新天地

政府の激しい規制によりこれまで「マイニング大国」として知られていた中国から小規模マイナーやマイニング企業が次々と撤退しています。

Cambridge Centre for Alternative Finance(CCAF)が公表したデータでは、2019年9月時点で世界のビットコインマイニング活動の75.53%を占めていた中国は、現在ではその割合は実質的ゼロとなっています。

昨今のマイニングと環境問題の関係から、自然エネルギーを利用してのマイニングが主流となりつつある中、アメリカと並んで注目を集めているのが南米です。

世界で初めてビットコインを法定通貨に定めたエルサルバドルでは、豊富な火山を利用して地熱発電によるマイニングを行っており、実際にビットコインのマイニングに成功したと報告しています。

また、コロンビアでは高低差のある国土を活かして滝を使った水力発電によるマイニングのアイディアも提案されています。

記事ソース:CNBCWired

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