ポイント

・6万5000ドルに跳ね返されて6万3000ドル近辺に失速
・ETFフロー回復、中国の追加景気刺激策などもあり6万5000ドル再トライ
・イスラエル軍のレバノン地上侵攻懸念で失速
・日本の首相がBTCに与える影響は限定的だが、高市氏なら円建てで上がりそう

昨日のBTC市場

昨日のBTC相場は上値の重い展開。再び6万5000ドル(約940万円)トライに失敗すると、6万3000ドル(約910万円)を挟んでのもみ合い圏に値を戻している。6万4000ドル近辺の200日移動平均線に上値を押さえられたBTCだが、日曜日(日本時間月曜日早朝)にハリス氏が初めて暗号資産に言及したことが好感され、8月の戻り高値6万5000ドルに肉薄した。

イスラエルのレバノン空爆で6万3000ドル近辺に失速したが、中国の景気刺激策や植田日銀総裁のハト派発言などによるリスクオンで6万4000ドル近辺に値を戻すと、米長期金利低下を受けた米株高を受け6万4000ドル台乗せに成功。

さらに中国人民銀行が金融機関向け1年物金利(MLF)を2.3%から2%に引き下げたこともあり、6万5000ドルまであと200ドルに迫った。久々にETFフローがBTC・ETFとも堅調だったことも相場の下支えとなったか。

しかし金曜日に期日を迎える6万5000ドルのオプションストライクの影響もあってか同水準で跳ね返されると、米長期金利が反騰したこともありBTCは6万3000ドル台に値を落とした。

海外時間に入ると再び6万4000ドル近くに値を上げたが、イスラエル軍司令官がレバノン国境付近の陸軍兵士にもうすぐ地上侵攻が始まると伝えたことからリスクオフの流れが広まり、続いてバイデン大統領が中東での全面戦争が近いとの見方を示したこともありBTCは6万3000ドル近辺に失速。

ハリス氏が演説でブロックチェーンでの支配的な地位を維持すると言及した。しかし、同じ頃、同氏の80ページに及ぶ経済政策の中でデジタル資産への言及は一か所だけで、さらに暗号資産を推進する議員に献金する政治団体Stand With Cryptoが同氏の暗号資産に対する態度をBからN/Aに引き下げる中、市場に与える影響は限定的だった。

なお、今朝方も中国が銀行への資本注入を検討しているとの報にBTCは6万2000ドルから6万3000ドル台に小反発を見せている。