ポイント
・6万ドルにワンタッチも半値押しにサポートされ下げ渋る
・ネタニヤフ首相は反撃示唆、イラン外相は攻撃終了を明言
・植田総裁、石破首相のハト派発言で円安進み、円建て価格は底堅い
・米大統領が核施設攻撃に反対としたことがかえって不安を呼ぶ
昨日のBTC市場
昨日のBTC相場は安値圏でのもみ合い。一昨日から昨日未明にかけて6万4000ドル(約935万円)台から6万ドル(約880万円)台に値を落とすと、6万1000ドルを挟んだ水準で下げ渋っている。
BTCは8月の戻り高値6万5000ドルを上抜け先週末に6万6000ドル台半ばに値を伸ばしたが、週明けの円高・株安やイスラエルのレバノンへ地上侵攻を嫌気して失速。その後、ドル円と日本株が切り返したこともあり6万4000ドル台に値を戻していた。
しかし、この侵攻を受けて、イランがガザ停戦を条件に保留していたテヘランでのハマス高官暗殺に対する報復攻撃を実施。報道によれば弾道ミサイルを含む約180発のミサイル攻撃を実施したことで6万2000ドル近辺に値を落とした。
これを受けてネタニヤフ首相がイランに代償を負わせると強い言葉で再報復を示唆すると、報復の連鎖が両国の全面戦争に突入する懸念からBTCは6万ドル台に値を下げた。しかし、イラン外相が米国の介入にくぎを刺しつつ、イスラエルの反撃が無ければ、これで攻撃は終了するとしたことで、4月の報復の応酬の際の様に、もう1回イスラエルが小規模の反撃を行うことで連鎖が終息するという期待感もあり、BTCは6万1000ドル台に値を戻した。
BTCはしばらく6万2000ドル手前で上げあぐんでいたが、この間、日銀の植田総裁が金融市場は不安定な状況にあると早期利上げ見送りを示唆、総裁との会合後、石破首相も今は利上げする環境にないとの見方を示したことを受け、143円台から一時147円台までじりじりと円安が進み、円建てのBTC価格は底堅く推移した。
金曜日の米雇用統計の前哨戦となるADP民間雇用統計がやや強めとなり、米株が安寄り後切り返したのを受けBTCは一時6万2000ドル台に値を伸ばした。その後は、米大統領がイスラエルが核施設に報復攻撃をすることに反対するとコメントしたことがかえって不安を呼び、BTCは6万ドルにワンタッチ、その後6万1000ドル台に値を戻している。
なおSECはリップル裁判を控訴、XRP価格は下落したが、BTCへの影響は限定的だった。