ポイント

・7万1000ドル台から6万1000ドル台へ1万ドル下落
・金曜日、在シリアイラン大使館攻撃の報復攻撃近いとの見方で6万5000ドル台に急落
・日曜日早朝に、ドローン・ミサイル攻撃開始で6万1000ドル台に急落
・被害は少なく、イランは作戦終了を宣言、6万5000ドルに戻す

週末のBTC市場

週末のBTC相場は大きく下落。7万1000ドル(約1085万円)台から6万1000ドル(約935万円)台へ実に1万ドル下落。6万5000ドル(約995万円)台に値を戻している。

BTCはETFフローが水・木と2日連続でプラスとなったこともあり底堅く推移したが、強いCPIを受け6月利下げ観測が後退する中、71,000ドル台で上値を押さえられていた。

月初にイスラエルが在シリアイラン大使館やガザ地区で食糧支援を行っていたNGOワールドセントラルキッチンを爆撃したことを受け、UAEが反発。米英がイスラエルをけん制し始めたことを受けて、同国が停戦協議に前向きになるなど中東情勢に鎮静化の兆しが見えていたことも相場の支えとなっていたか。

しかし金曜日になると、イランによる報復攻撃が近いとの情報が出回り、各国が両国への渡航に警鐘を鳴らし始め、米市場オープン前にイスラエル当局が数日内にイランからの直接攻撃を受ける可能性に備えるとしたことからリスクオフの流れとなりBTCは値を下げ始めた。イランの支援を受けるとされるヒズボラによるレバノンからロケット砲での越境攻撃が続いたことも、市場の雰囲気を悪くしたか。

一旦は7万ドル近辺で下げ渋ったが、それまで上昇していた金や原油が失速。また米株も奮わない中、BTCは小さなダブルトップを形成。さらに月初から続くサポートラインを割り込むと、6万5000ドル台まで急落した。コイングラスによれば、先物市場では6億ドル以上のロングポジションの清算が発生した模様。

BTCは押し目買いもあり6万8000ドル手前まで値を戻したが、金曜日のETFフローは▲55百万ドルとマイナスに転じ、週次で純流出。またイランがホルムズ海峡を航行中のイスラエルに関連する船舶を拿捕したと伝わったこともあり、上値を重くした。

すると日本時間の日曜日早朝、イランはドローンとミサイルでイスラエルへの直接攻撃を始めたと伝わると、先物市場で6億ドル近いロングの清算を巻き込みながら、BTCは6万1000ドル台まで急落した。

しかし、イスラエル当局はその大半を迎撃したとするなど被害は限定的だったことからBTCは反発。イラン当局も報復は完了。作戦継続は予定していないとし、米国もイスラエルを防衛するがイランへの報復には参加しないと明言したこともあり、BTCはCME先物の窓埋め方向に6万5000ドル台で底堅く推移している。


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