仮想通貨市場

今週の仮想通貨市場時価総額は先週に引き続き下落基調となりました(第1図)。

今週の高値は8/4の2686億ドルで安値は8/9の2193億ドルとなっております。

今週の下落で、ビットコインが年初来安値を示現した6/29時点の時価総額(2320億ドル)を割り込みました(第2図)。

今週の注目ニュースとしては、①ゴールドマンサックス関係者がカストディー(保管・管理)業務参入を示唆、②米証券取引委員会(SEC)が申請中のETF承認可否の決断を2018/10/1までに延期したこと、③米公

認会計士協会(AICPA)によるアメリカの投資家意識などに関する調査の結果発表などがあります。

 

【第1図:仮想通貨市場時価総額チャート(8/4〜8/10)】

 

【第2図:仮想通貨市場時価総額チャート(6/29〜8/10)】 

ゴールドマンサックスも参入か:仮想通貨カストディーに大手金融機関が注目

Bloombergによると、複数の米ゴールドマンサックス関係者が匿名で同社が仮想通貨カストディー業務参入を検討しているとBloombergに伝えたようです。

関係者の話によると、本件に関しての具体的なタイムラインは決まっていないものの、同行は顧客のデジタル・アセットに対する興味に対応するべく仮想通貨業界を探求しているとのことです。

米ゴールドマンサックスは今年5月にも仮想通貨取引デスクの開設を発表しており、信用力のある金融機関によるさらなる仮想通貨サービス拡大の可能性は、実現すれば業界にとって好材料となるでしょう。

特に、カストディー・サービスは顧客の資産(この場合仮想通貨)を安全に保管するサービスであるため、仮想通貨ファンド運営の大きなサポートとなります。これにより、仮想通貨を扱っていないファンドも仮想通貨市場に参入しやすい環境整備が進むことが期待されます。

アメリカでは、投資アドバイスを行う殆どのファンドは、米証券取引委員会(SEC)より認可を受けたカストディアンの下で顧客の資金を管理しなければいけないため、今年に入ってからウォール街の大手金融機関が続々とカストディー業務の参入を検討・発表しております。

仮想通貨カストディアン増加によるファンド資金の仮想通貨市場への流入が期待されます。

SECのビットコインETF承認延期に下振れた仮想通貨市場

アメリカ時間8/7には、VanEckとSolidXがCBOEを通じてSECに申請していたビットコインETFの承認可否の判断が9/30(当日は日曜日であることから、判断が前倒しされる可能性が指摘されています)まで先延ばしになったことが、SECの公式文書で発覚しました。

FinAltでもお伝えした通り、ビットコインETFは昨今の仮想通貨市場でもっとも注目を集めていたトピックの一つでした。今回の発表にも市場は敏感に反応したようで、市場時価総額の下落に拍車をかけたように見えます。

この先は、9月末にかけて市場に期待感が募ることが考えられますが、本件の承認時期はさらに延期される可能性もあり、ビットコインETFの動向に市場が左右される展開が予想されます。

 

 

<本記事ご協力>

ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供