年初来からの仮想通貨相場の下げ幅が80%に到達し、2000年のITバブルの下げ幅を超えたと12日付のブルームバーグが報じた。ただ、仮想通貨業界にとって暗い未来を示しているかどうかについては見方が分かれている。

ブルームバーグによると、 最も流動性の高い主要10種のデジタル資産と連動するMVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Indexが12日、今年1月と比べて80%下落。2000年のITバブルの時にハイテク株で構成されるナスダックは高値から78%下がったが、仮想通貨相場はこれを超えたことになる。

(引用元:ブルームバーグ 白:Nasdaq Composite Index(2000年3月〜2002年10月)青:MVIS CryptoCompare Digital Assets 10 Index(年初来〜))

ブルームバーグはITバブルの時とように、革新的に見える技術にお金をつぎ込んだ投資家は厳しい現実をつきつけられており、とりわけアルトコイン勢の苦戦が際立っていると解説。英Markets.comのアナリストであるネイル・ウィルソン氏のコメントを掲載している。

「仮想通貨自体が、巨大な、投機的なバブルだったことを示している。勝者がマーケットを総取りすることになるだろう。ビットコインがそれに一番近い」

その上でブルームバーグは、一つの救いは世界経済に与える影響が小さいことだと指摘し、ナスダックがITバブル時に失った数兆ドルに比べれば仮想通貨市場の損失額は6400億ドルと圧倒的に規模が小さいと伝えている。

一方、先行きを楽観視する声も出ている。ニュースBTCは、現在の価格は新興技術の未来を必ずしも暗示しているわけではなく、ハイテクセクターはITバブルの後に大きな成長を見せたと主張。例えば、ITバブル期にアマゾンの株価は100ドルから10ドル以下まで下落したが、数年後、2000ドル近くまで上昇して時価総額1兆ドルを超えた2番目の企業になったと指摘している。

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